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滋賀の福祉・介護事業所のデザイン|利用者と職員に届く作り方

2026.10.07 · 読む時間 約9分 · 木下スタジオ 木下貴博

滋賀の福祉・介護事業所のデザイン|利用者と職員に届く作り方

滋賀の福祉・介護事業所の方から、「ホームページを作りたいが、利用者の家族向けと職員募集のどちらに合わせればいいか分からない」という相談を受けることがあります。福祉・介護事業所のデザインは、利用する人とその家族、そして働きたい人という、2つの相手に向けて作ると整理しやすくなります。この記事では、2つの入口の分け方、やわらかい言葉の選び方、写真の扱いまでを順にお伝えします。

福祉・介護のデザインは、相手が2つある

福祉・介護事業所のホームページやチラシを見る人は、大きく2つに分かれます。1つは、サービスを使うことを考えている本人と、その家族やケアマネジャー(介護の計画を立てる専門職)など、利用を考える側の人。もう1つは、その事業所で働くことを考えている人です。

この2つの相手は、知りたいことがまったくちがいます。利用を考える家族は「安心して任せられるか」を知りたい。働きたい人は「ここで無理なく続けられるか」を知りたい。同じページに両方の情報をまぜて並べると、どちらの人も自分に必要なところを探すのに手間がかかります。

図1 2つの相手で、知りたいことがちがう
利用を考える本人・家族働きたい人
まず知りたいどんな人が使えるのか(対象・条件)どんな仕事を、どんな人とするのか
中身1日の過ごし方、どんな支援があるか勤務の時間、休み、働き方の選び方
通い方送り迎えや、場所への行き方通勤の方法、駐車場があるか
不安安心して任せられるか未経験や資格がなくても始められるか
次の一歩見学や相談の申し込み見学や面接の申し込み

どちらの相手も、最後は「まず見に行ってみたい」につながっています。いきなり契約や応募を決めるのではなく、見学や相談から始められると分かることが、どちらにとっても入りやすさになります。

ホームページは、入口を2つに分ける

福祉・介護事業所のホームページでは、トップページの上のほうで、「ご利用を考えている方へ」と「ここで働きたい方へ」の2つの入口を、はっきり分けて置く形が分かりやすくなります。開いた人が、自分はどちらかを選んで、その先は自分に関係のある情報だけを読める形です。

トップページで先に伝えること

入口を分ける前に、トップページのいちばん上で伝えたいのは、制度の説明ではなく、どちらを向いている事業所かという一言です。「通所介護」「就労継続支援B型」のような制度の名前は、事業所の方には当たり前の言葉でも、初めて調べている家族には分かりにくいことがあります。制度の名前は下に添えて、まずは何を大切にしている場所なのかを、短い言葉で伝えます。

就労継続支援の福祉事業所のホームページのデザイン。画面のいちばん上に事業所の思いを1行で置いている
制作例:就労継続支援の事業所のホームページ。「あなたの"やりたい"の伴走がしたい」を画面のいちばん上に。制度の説明から入らず、どちらを向いている事業所かを1行で先に置いています。

それぞれの入口の先に置くもの

利用を考える方の入口の先には、対象となる方、1日の流れ、サービスの中身、送り迎え、場所、見学や相談の申し込みを並べます。働きたい方の入口の先には、仕事の中身、1日の流れ、勤務の形、職場の雰囲気、見学や応募の申し込みを並べます。どちらも最後は「見学」や「相談」につながるようにすると、いきなり決めなくていい、という安心が伝わります。

  1. トップどちらを向いた事業所かを一言で
  2. 入口を選ぶ利用を考える方/働きたい方
  3. 中身を読む1日の流れ・支援・仕事の中身
  4. 見学・相談電話・フォーム・LINEで申し込む

図2 ホームページでの読まれ方の流れ

問い合わせの入口も、分けておく

問い合わせの窓口も、利用の相談と、採用の応募で分けておくと、受ける側も対応しやすくなります。フォームを1つにする場合でも、はじめに「利用の相談」「見学の申し込み」「採用について」を選べるようにしておくと、受け取ったときに誰が返事をするかがすぐ分かります。電話番号はスマホで押せる形にして、受付の時間も書いておきます。問い合わせにつながる形は「問い合わせが来るホームページ」で書いています。

言葉は、やわらかく、短く

福祉・介護事業所のデザインで、いちばん気をつかうのが言葉です。読む人の多くは、家族のことで悩んでいたり、初めて福祉のサービスを調べていたりします。むずかしい言葉や、かたい言い回しが続くと、それだけで「ここは自分には遠い場所だ」と感じてしまいます。

制度の言葉は、言い換えて添える

事業所の中で毎日使っている言葉ほど、外の人には伝わりにくいものです。制度の名前やサービスの名前を使うときは、すぐあとに、何をする場所なのかを言い換えて添えます。「生活介護(日中に通って、食事や入浴、創作活動などをする場所)」のような書き方です。

01

制度の言葉は添える

名前を出したら、すぐあとに何をする場所かを言い換える。

02

1文を短く

一度読んで分かる長さで区切る。年配の方も読む前提で。

03

言い切りすぎない

約束できないことは書かない。「〜できるよう支えます」と書く。

04

主語を相手に

「私たちは」より「あなたの」「ご家族の」から始める。

図3 やわらかく伝える言葉の選び方

「明るく楽しい」だけで終わらせない

福祉・介護事業所の紹介でよく使われるのが、「明るく楽しい」「アットホームな」といった言葉です。うそではなくても、多くの事業所が同じ言葉を使っているので、読む人にはちがいが伝わりません。その代わりに、毎日の中で実際にしていることを1つ書きます。朝はどんなふうに迎えるのか、昼ごはんはどうしているのか、困ったときに誰に相談できるのか。具体的な一場面があると、家族も働きたい人も、その場所で過ごす自分や家族の姿を思い浮かべやすくなります。

文字の大きさと色

利用を考える家族の中には、年配の方もいます。字を小さくしすぎない、薄すぎる色を使わない、文字と地の色の差をはっきりさせる。やわらかい印象を出したいときも、色を薄くするのではなく、言葉と余白でやわらかさを出すほうが、読みやすさを保てます。

事業所の紹介文の書き方は「会社紹介の文章の書き方」にまとめています。文章をゼロから書く作業は別料金(1ページ10,000円〜)なので、下書きをいただければ、読みやすい長さと順番に整えます。

写真の扱い:顔を出すかは、事業所と確かめてから

福祉・介護事業所のホームページやチラシで、写真はとても大事です。どんな場所で、どんな人が支えてくれるのか。写真があるだけで、初めての人にも中の様子が伝わります。一方で、利用者の方が写る写真は、扱いに気をつかうものでもあります。

顔を出すかどうかは、事業所と決める

利用者の方や職員の方の顔を写真で出すかどうかは、デザインの側では決めません。事業所の方針と、写っている本人やご家族の了解をもとに、事業所の方と確かめてから決めます。それナル?では、写真を使う前に、どの写真を、どこに、どの大きさで使うかを一覧にしてお見せし、事業所の方に確かめていただきます。

顔を出さなくても伝わる写真

顔を出さない場合でも、伝えられることはたくさんあります。作業をしている手元、テーブルに並んだ食事、明るい部屋、送迎の車、季節の飾り。人の気配が感じられる写真は、顔が写っていなくても、事業所の空気を伝えてくれます。職員の方なら、了解を得たうえで、後ろ姿や横顔、手元を使う方法もあります。

社会福祉法人の職員募集ポスターのデザイン見本。写真4枚それぞれに白い一行を乗せ、1枚は顔を入れず手元にしている
制作例(見本):社会福祉法人の職員募集ポスター。写真4枚それぞれに白い一行を乗せ、4つの言い分で見せています。1枚だけ顔を入れず手元にしました。A3。

写真を使う前に確かめること

  • 写っている方の了解があるか(ご家族の了解も含めて)
  • 顔を出すか、手元や後ろ姿にするか
  • 名札や書類、掲示物の文字が写り込んでいないか
  • 建物の外観から、場所が分かりすぎないか
  • ホームページとチラシ、両方で使ってよいか

スマホで撮る場合のコツは「スマホで撮る写真のコツ」に書いています。明るい時間に、まっすぐ構えて撮るだけでも、ずいぶん印象が変わります。

職員募集のチラシとポスターも、同じ言い方で

福祉・介護の仕事は、人が集まりにくいと感じている事業所も多いと思います。職員募集では、ホームページの採用の入口に加えて、チラシやポスターを作ることもよくあります。

働く様子が思い浮かぶように

働きたい人が知りたいのは、給料や勤務時間だけではありません。どんな人と、どんな1日を過ごすのか。どんなときに、この仕事をやってよかったと思えるのか。職員の方の言葉をそのまま短く切り取って、写真に添えると、働く様子が思い浮かびやすくなります。採用のチラシとポスターの考え方は「採用のチラシとポスターの作り方」で書いています。

大津・草津と、湖北・湖東とで、届け方を変える

滋賀の中でも、大津や草津のように駅の近くに人が多い地域と、彦根や長浜のように車で通う人が多い地域とでは、働く人が気にすることもちがいます。駅から歩けるなら駅からの道のり、車で通う人が多いなら駐車場や通勤の時間を書いておくと、働く様子を想像しやすくなります。ポスターを貼る場所、チラシを置く場所も、その地域の人がよく行く場所を考えて決めます。

アートディレクターの目線:事業所らしさは、作りながら見つかる

木下貴博は、滋賀でアートディレクションからグラフィックまでを一人で手がけるかたわら、99lettersという名前で海外のレーベルから音楽をリリースしています。20年ほど続けてきた音楽では、偶然できた音色から、いつのまにか1曲になっていきます。個性は先に固めるものではなく、作ったあとに気づくもの。デザインも同じ順番で作っています。福祉・介護事業所の方から「うちらしさが分からない」と聞くことがありますが、はじめから言葉にできなくても大丈夫です。誰が、どこで、どんな気持ちで見るのかを1つずつ決めて、職員の方の言葉や、日々の写真を並べていくうちに、「これがうちの空気だ」と気づくことが多いものです。

滋賀の福祉・介護事業所のデザインの費用

それナル?では、料金を先に全部出しています。福祉・介護事業所でよく頼まれるものをまとめました。

表1 福祉・介護事業所まわりの料金(税抜)
頼むもの料金メモ
小さなホームページ98,000円〜5ページまで・問い合わせフォーム込み
ホームページ1ページ(相談しながら)49,800円打ち合わせ1回・修正2回まで・文章の整理も手伝う
チラシ片面A4/両面19,800円〜/29,800円〜利用案内・職員募集など・印刷代は別
ポスター(B2・B1)39,800円〜職員募集の掲示など・印刷代は別
公開後の更新5,000円/月月1回まで・使わない月は請求なし

金額が上がるのは、直しが決めた回数を超えたとき(1回5,000円〜)、ページや枚数が増えたとき、急ぎのときの3つだけです。上がる前に必ずお伝えします。サーバー・ドメイン代(年1,500〜15,000円ほど・事業所名義)、印刷代、撮影は含まれていません。

ポイントサービスの中身や制度についての書き方は、事業所の方がいちばんよくご存じです。載せる内容は事業所の方と確かめながら進め、気になる言い回しは作る途中で必ずお聞きします。

滋賀で福祉・介護事業所のホームページを頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方

それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。大津・草津・守山・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋や全国からもオンラインで受けています。

  • 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます
  • 値段を先に出します。サーバー代や印刷代など、含まれないものも先にお伝えします
  • 作ったデータはお渡しします。あとで別の人に頼むときも困りません

ホームページだけでも、職員募集のチラシだけでも相談できますし、まとめて頼むこともできます。まとめて頼むと、言い方と色がそろいます。打ち合わせは基本オンラインで、支援の合間にも進められます。必要なときだけ伺います。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。窓口はホームページのページとチラシ・ポスターのページにまとめています。

利用者向けと職員募集、ホームページは分けたほうがいいですか?

多くの場合、1つのホームページの中で入口を2つに分ければ十分です。トップページの上のほうで「ご利用を考えている方へ」と「ここで働きたい方へ」を選べるようにすると、どちらの人も自分に関係のある情報だけを読めます。

利用者の方の顔写真は使ってもいいですか?

顔を出すかどうかは、事業所の方針と、写っているご本人やご家族の了解をもとに、事業所の方と確かめてから決めます。顔を出さなくても、手元や部屋の様子の写真で、事業所の空気は十分に伝わります。

制度の説明文は書いてもらえますか?

制度やサービスの中身は、事業所の方がいちばんよくご存じなので、下書きをいただいて、読みやすい長さと順番に整える形で進めます。文章をゼロから書く作業は別料金(1ページ10,000円〜)です。

公開したあとの更新はどうすればいいですか?

ご自分で更新できる形にすることもできますし、それナル?に頼むこともできます。公開後の更新は月5,000円(税抜・月1回まで)で、使わない月は請求しません。

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