会社の数字を1枚で見せる:滋賀の小さな会社の見える化
「会社の数字を社員にも知ってほしい。でも、表を配っても誰も見ていない気がする」。滋賀の小さな会社で、数字の見える化(会社の今の状態を、見れば分かる形にすること)を考えている方から、こうした声をよく聞きます。数字そのものは正しいのに、伝わらない。この記事では、会社の数字を1枚にまとめるときの考え方をお話しします。選ぶ数字は少なく、いつ時点かを必ず書き、グラフは「くらべる」ためだけに使う。毎月の更新の仕方と、外に頼むときの費用まで書きます。
滋賀の中小企業で、数字の表が読まれない理由
会社の数字を社内に伝えようとすると、まず思い浮かぶのが表です。売上、受注、原価、人件費、前年比。Excelで作った表をそのまま印刷して配ったり、会議の画面に映したりします。
ところが、表は読む人を選びます。数字に慣れている人は、表を見れば何が起きているか分かります。でも、毎日現場で手を動かしている人にとって、数字が何十個も並んだ表は、どこを見ればいいのか分からない紙です。結局、「よく分からないけれど、たぶん大丈夫なんだろう」と思って閉じてしまいます。
これは、読む人のせいではありません。表は「全部の数字を記録しておく」のには向いていますが、「今、何が大事か」を伝えるのには向いていないのです。伝えるためには、記録の表とは別に、伝えるための1枚が要ります。
よくある数字の共有
- Excelの表をそのまま印刷して配る
- 数字が何十個も並び、どれが大事か分からない
- いつ時点の数字かが書いていない
- グラフの色が多く、何をくらべているか分からない
1枚で伝わる数字
- 記録の表とは別に、伝える1枚を作る
- 見せる数字は3つから5つに絞る
- どの数字にも「いつ時点か」を添える
- グラフは「くらべる」ためだけに使う
図1 よくある数字の共有と、1枚で伝わる数字をくらべる
会社の数字を1枚にする:見せる数字は3つから5つ
1枚にまとめるときに、いちばん大事なのは、数字を選ぶことです。会社には大事な数字がたくさんあります。でも、1枚に載せるのは、3つから5つまでを目安にします。
「どれも大事だから減らせない」と思われるかもしれません。でも、10個の数字を並べると、読む人にとっては1つも残りません。5つまでなら、見た人が「今月はこれが上がって、これが下がった」と言えます。言えるということは、覚えているということです。
何を選ぶか:社員の動きにつながる数字
選ぶときの目安は、「その数字を見た社員が、明日の動きを変えられるか」です。たとえば、会社全体の利益の数字は大事ですが、現場の人がそれを見て明日できることは多くありません。一方で、「今月の納期遅れの件数」「お客様からの問い合わせの数」「不良の数」のような数字は、見た人が自分の仕事とつなげて考えられます。
経営者が見る数字と、社員に見せる数字は、同じでなくて構いません。社員に見せる1枚には、社員の動きにつながる数字を選びます。経営者向けには、別の1枚を作ればよいのです。
目標とくらべる数字
今月の数字と、目標の数字を並べる。どこまで来ているかが一目で分かる。
前とくらべる数字
先月や去年の同じ月と並べる。上がったか下がったかが分かる。
動きにつながる数字
見た社員が、明日の仕事を変えられる数字。納期や不良、問い合わせなど。
ひとことの説明
数字ごとに、なぜそうなったかを1行で。数字だけだと読み方が人によって変わる。
図2 1枚に載せる数字の選び方
1枚の並べ方:上に今月のひとこと、下に数字
選んだ数字は、1枚の中で並べる順番も決めておきます。いちばん上には、今月をひとことで言った1文を置きます。「受注は目標に届いたが、納期遅れが増えた」のような1文です。その下に、選んだ数字を大きく並べ、いちばん下に、くわしいグラフや補足を置きます。
この順番にしておくと、忙しい人は上の1文だけを読めば今月の様子が分かります。気になった人は、下の数字やグラフを見に行けます。読む人によって、読む深さを選べる1枚になります。数字を並べる順番も、毎月同じにしておきます。先月と同じ場所に同じ数字があれば、見る人は場所で数字を覚えられます。
数字がよくない月こそ配る
数字の1枚でよく起きるのが、数字がよい月は配られて、よくない月は配られなくなることです。気持ちは分かりますが、配られない月があると、社員は「何かあったのかな」と、かえって不安になります。数字がよくない月こそ、同じ形で配り、「なぜそうなったか」と「来月どうするか」を1行ずつ添えます。同じ形で毎月届くことが、数字の1枚への信頼になります。
どの数字にも「いつ時点か」と「何とくらべたか」を書く
数字を1枚にまとめるときに、忘れられやすいのが「いつ時点の数字か」です。「売上」とだけ書いてあると、それが今月の数字なのか、今年に入ってからの合計なのか、読む人には分かりません。数字の横に、小さく「○月末時点」「○月1日〜○月末」と書いておきます。
もう1つ大事なのが、「何とくらべたか」です。数字は、1つだけでは良いのか悪いのか分かりません。目標とくらべるのか、先月とくらべるのか、去年の同じ月とくらべるのか。くらべる相手を書いておくと、読む人が数字の意味を取り違えません。
単位と桁をそろえる
単位と桁もそろえます。ある数字は「円」、別の数字は「千円」、また別の数字は「万円」。こうなっていると、読む人は頭の中で換算しなければなりません。1枚の中では、単位をそろえ、桁の多い数字は「万円」などでまとめて、読む人の手間を減らします。
パーセント(%)を使うときは、もとの数字も添えます。「不良が50%増えた」と書くと驚きますが、もとが2件で3件になっただけかもしれません。パーセントだけだと、数字が大きく見えたり小さく見えたりします。

グラフの使い分け:くらべるものに合わせて選ぶ
数字を見せるときに、グラフはとても役に立ちます。ただし、グラフにはそれぞれ得意なことがあります。くらべたいものに合わせて選ぶと、1枚がぐっと読みやすくなります。
| 棒グラフ | いくつかのものの大きさをくらべる(部署ごと、商品ごとなど) |
|---|---|
| 折れ線グラフ | 月ごとの動きを見る(上がっているか、下がっているか) |
| 大きな数字1つ | 今月の結果だけを伝える。グラフにしないほうが早いこともある |
| 円グラフ | 全体の中の割合を見る。項目が多いと読めないので、3つほどまで |
色は「見てほしいところ」だけ
グラフの色は、見てほしいところにだけ使います。月ごとの売上の棒グラフなら、今月の棒だけに色をつけて、ほかの月は灰色にします。こうすると、見る人の目は自然に今月の棒に向かいます。全部の棒に違う色をつけると、どこを見ればいいか分からなくなります。
色の意味も、1枚の中でそろえます。「よい」は青、「気をつけたい」は赤のように決めたら、どのグラフでも同じ意味で使います。色の決め方は会社の色を決める記事も参考にしてください。会社の色を強調の色に使うと、数字の1枚も会社の顔になります。
棒グラフの目盛りは0から
棒グラフで気をつけたいのが、縦の目盛りの始まりです。目盛りを途中の数字から始めると、少しの差が大きな差に見えてしまいます。棒グラフは、棒の長さで大きさをくらべるものなので、目盛りは0から始めます。細かい動きを見せたいときは、棒グラフではなく折れ線グラフを使い、目盛りの範囲を書き添えます。見る人に誤解させない作り方をしておくと、数字の1枚そのものが信用されます。
毎月の更新を楽にする:型を決めて、数字だけ入れ替える
数字の1枚は、一度作って終わりではありません。毎月、あるいは毎週、新しい数字に入れ替えて配ります。このとき、毎回レイアウトから考えていると、続きません。担当の人の負担が大きくなり、いつのまにか配られなくなります。
続けるためには、型(テンプレート)を作ります。どこにどの数字を置くか、グラフの形、色、文字の大きさを決めておき、毎月は数字だけを入れ替える。Excelのグラフとつながった形にしておけば、表の数字を入れるだけで1枚が更新されるようにもできます。
- 数字を選ぶ3つから5つに絞る
- くらべる相手目標・先月・去年
- 型を作る置き場所と色を決める
- 毎月入れ替え数字とひとことだけ
- 見直す半年ごとに数字を選び直す
図3 数字の1枚を作って続ける流れ
半年ごとに、選んだ数字を見直す
型を決めても、選んだ数字はときどき見直します。会社が力を入れることが変われば、見せる数字も変わります。半年に一度くらい、「この数字は、今も社員の動きにつながっているか」を確かめて、入れ替えるものは入れ替えます。
数字の1枚の使い方:朝礼・会議・掲示
1枚ができたら、使う場面を決めます。滋賀の小さな会社でよくあるのは、月はじめの朝礼で配る、月1回の会議の最初に映す、事務所や休憩室に貼る、の3つです。
会議で使うなら、数字の1枚は会議の最初に5分だけ見る、と決めておくと、会議の前提がそろいます。会議の進め方そのものについては、会議を1枚で進める記事に書いています。掲示するなら、遠くからでも大きな数字が読めるように、A3やA2で印刷します。
拠点が分かれている会社では、同じ1枚をそれぞれの拠点で同じ日に見られるようにします。たとえば、大津に本社、守山や栗東に工場がある会社なら、同じ型の1枚を同じ日に配ることで、離れていても同じ数字を見て話せます。

滋賀で数字の資料を頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
数字はそろっているけれど、1枚にまとめる時間がない。あるいは、最初の1枚と型だけプロに作ってもらい、あとは社内で更新したい。そういうときは、それナル?に頼んでいただけます。それナル?は、木下スタジオ(滋賀・木下貴博)の小さい入口です。
今使っているExcelの表や、会議の資料をそのまま送っていただければ、量を見て時間の目安をお伝えします。どの数字を選ぶかは、会社の方と一緒に決めます。仕事の中心は、いただいた数字を伝わる形に並べることです。
| 社内資料(数字の1枚を整える) | 1時間5,000円・延長30分2,500円 |
|---|---|
| 毎月使う型(テンプレート) | 29,800円〜 |
| 何を見せるかから相談する | 1時間の相談5,000円 |
| 急ぎ(当日・翌日) | +50% |
料金が上がるのは、直しが決めた回数を超えたとき(1回5,000円〜)、量が増えたとき、急ぎのときの3つだけです。支払いは10万円までは納品後に一括、銀行振込です。インボイスにも対応しています。
- 窓口は1人:聞き取りから納品まで同じ人が担当し、お渡しするものは必ず目を通します。
- 値段を先に出す:時間の目安と、上がる3つの条件を、はじめに伝えます。
- 作ったデータは渡す:型はそのまま社内で数字を入れ替えて使い続けられます。
打ち合わせは基本オンラインなので、滋賀県内のどこからでも始められます。資料のことは社内資料のページに、数字を使った会議の進め方は会議のページに、料金の一覧は料金ページにまとめています。スライド全体の見せ方は社内資料・パワポを見やすくする記事もどうぞ。
数字の集計からお願いできますか?
中心になるのは、会社の方がまとめた数字を、伝わる1枚に並べる仕事です。どの数字を選ぶか、何とくらべるかは一緒に考えます。集計の手前から手伝ってほしい場合は、内容をうかがって見積りします(無料)。
Excelで更新できる形にしてもらえますか?
はい。Excelやパワーポイント、Googleスプレッドシートなど、会社で使い慣れているソフトで型を作ります。数字を入れ替えるだけで毎月更新できる形にし、データはそのままお渡しします。型は29,800円〜(税抜)です。
社外秘の数字を送っても大丈夫ですか?
気になる場合は、数字をダミー(仮の数字)に置き換えた状態で送っていただく方法があります。型ができてから、社内で本当の数字を入れれば、外に本当の数字を出さずに済みます。
どの数字を見せればいいか分かりません。
そういうときは、1時間の相談(5,000円・税抜)から始められます。会社の今の状況と、社員の方に何をしてほしいかをうかがって、見せる数字の候補を一緒に絞ります。打ち合わせはオンラインです。


