滋賀の商品パッケージ・ラベルのデザイン|棚で選ばれる
手間をかけて作った商品なのに、道の駅や直売所の棚に並ぶと、ほかの商品に埋もれてしまう。滋賀で食品や雑貨を作っている方から、パッケージやラベルのデザインについてよく聞く悩みです。この記事では、棚の前でお客さんの目がどう動くかから、表に置くもの・裏に置くもの、サイズや材料の決め方、デザインを頼む前にそろえるものまでをお伝えします。
パッケージは「棚の前の数秒」で選ばれる
お店の棚の前で、お客さんは1つ1つの商品をじっくり読んでいるわけではありません。まず遠くから棚全体を眺め、気になった色や形に目を止め、近づいて手に取り、裏を返して中身を確かめる。この流れのどこかで興味がなくなると、商品は棚に戻されます。
パッケージやラベルのデザインは、この流れに合わせて考えると決めやすくなります。遠くからは、色と形で「何の商品か」を伝える。近づいたら、名前と一言で「どんな商品か」を伝える。手に取ったら、裏の表示で「安心して買えるか」を伝える。見る距離ごとに、伝えることを分けておくのがこつです。
- 棚を眺める色と形で目に止まる
- 近づく何の商品かが分かる
- 手に取る名前と一言を読む
- 裏を返す中身・量・作り手を確かめる
- かごに入れる値段と見比べて決める
図1 棚の前で、お客さんの目が動く順番
表に置くもの、裏に置くもの
ラベルを作るとき、多くの方が伝えたいことを全部表に載せようとします。材料のこだわり、作り方、受賞歴、食べ方、お店の紹介。けれど、表に情報が多いほど、遠くからは何の商品か分からなくなります。表には、遠くから見て止まってもらうためのものだけを置き、くわしいことは裏や添える紙に回します。
表に詰めこんだラベル
- 商品名・こだわり・作り方が同じ大きさで並ぶ
- 色を何色も使い、どこを見ればいいか分からない
- 写真とイラストと文字が重なっている
- 遠くから見ると、何の商品か分からない
表と裏を分けたラベル
- 表は名前と、何の商品かの一言だけ
- 色は2〜3色に絞り、主役の色を1つ決める
- こだわりや食べ方は裏や添える紙に
- 遠くからでも、何の商品か分かる
図2 表に詰めこんだラベルと、表と裏を分けたラベル
| 場所 | 置くもの | 考え方 |
|---|---|---|
| 表 | 商品名、何の商品かの一言、お店のロゴ | 棚の離れたところから読めるものだけ |
| 裏 | 決められた表示、作り手の名前と所在地、問い合わせ先 | 手に取って確かめる人のために、読みやすく整理 |
| 添える紙・タグ | こだわり、作り方、食べ方、お店の話 | 買ったあとにも読まれる。ホームページやSNSへの入口も |
棚で目に止まる色と形の決め方
主役の色を1つ決める
棚の前で最初に目に入るのは、文字より色です。パッケージの色を決めるときは、使う色を2〜3色に絞り、その中で主役の色を1つ決めます。主役の色が決まっていると、遠くからでも「あの色の商品」として覚えてもらえます。シリーズで商品が増えたときも、主役の色はそのままで、味や種類ごとに差し色だけを変える、という広げ方ができます。
色を選ぶときは、並ぶ棚のことも考えます。同じ種類の商品が似た色ばかりなら、少しちがう色にするだけで目に止まりやすくなります。お店全体の色との関係は「会社の色の決め方」で書いています。
形は「ロゴ」から借りる
パッケージのために、新しい模様やイラストを1から作る必要はないことも多いです。お店のロゴの形の一部を、ラベルの模様や区切りの線として使うと、お店の名刺や看板とパッケージが同じ顔になります。お客さんにとっては、店先で見た印と、道の駅の棚で見る印が同じだと分かるだけで、手に取る理由になります。


写真を使うか、使わないか
食品のパッケージでは、中身の写真を大きく載せたくなります。おいしそうな写真は、確かに手に取る理由になります。ただ、写真は撮り方や光によって印象が大きく変わり、暗い写真やぼやけた写真は、かえって商品を安く見せてしまうことがあります。透明な袋や窓のある箱で中身がそのまま見えるなら、写真を載せず、名前と色だけで組むほうがすっきりすることもあります。中身が見えない箱なら、写真か絵で中身を伝えます。どちらにするかは、中身が見えるかどうかで決めると迷いません。
シリーズで増やすときの、パッケージの決まり
はじめは1種類でも、売れはじめると味ちがいや量ちがい、季節の限定などで種類が増えていくことがあります。そのたびに別々のデザインを作ると、棚に並べたときにばらばらに見え、同じお店の商品だと分かりにくくなります。最初の1つを作るときに、増えたときのことを少しだけ決めておくと、あとが楽になります。
変えないもの
ロゴの位置、商品名の書体と大きさ、主役の色。どの種類でも同じにする。
変えるもの
差し色、味や種類の名前。種類ごとに1つだけ変える。
足すもの
季節や限定の印。決まった場所に、小さく足す。
図3 種類が増えたときに、変えないもの・変えるもの・足すもの
変えないものが決まっていると、棚に並んだときに「このお店のシリーズ」としてまとまって見えます。変えるものを1つに絞っておくと、お客さんは種類のちがいをすぐに見分けられます。こうした決まりは、お店のロゴや色の使い方と一緒に1枚にまとめておくと、別の人がラベルを作るときにも迷いません。その考え方は「ロゴと色の使い方を1枚に」で書いています。
道の駅・直売所・お土産売り場での見え方(滋賀の場合)
滋賀でつくられた商品は、道の駅や農産物の直売所、駅や観光地のお土産売り場、地元のスーパーの地場産品の棚など、いろいろな場所に並びます。並ぶ場所によって、目立ち方の条件が変わります。
| 並ぶ場所 | よくある並び方 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 道の駅・直売所 | 平台や棚に、作り手ごとに並ぶ | 上から見たときに名前が読めるか。作り手の名前が分かるか |
| お土産売り場 | 箱の商品が、正面を向いて並ぶ | 滋賀のものだと分かる言葉や絵があるか。持ち帰りやすい形か |
| 地元のスーパー | 同じ種類の商品と横に並ぶ | ほかの商品と色がかぶらないか。何の商品かが一目で分かるか |
| 自分のお店 | 店内の棚やレジ横に並ぶ | お店の看板や内装と同じ色・同じ印でそろっているか |
| ネットのお店 | 小さな写真で一覧に並ぶ | 小さくしても名前と色が分かるか |
上から見られる平台では、ふたや上面が大事
道の駅や直売所の平台では、商品は上から見下ろされることが多くなります。正面のラベルだけを整えても、上から見ると何の商品か分からない、ということが起きます。袋ものなら上の折り返し、箱ならふたの上面に、名前と主役の色が見えるようにしておくと、平台でも見つけてもらいやすくなります。
お土産なら「滋賀のもの」と分かる手がかりを
高島や長浜、東近江など、県外から人が来る土地で売るお土産なら、滋賀や地元の名前が分かる手がかりを、表のどこかに置いておくと選ばれやすくなります。地名をそのまま書く、湖や山の形をさりげなく入れる、などの方法があります。ただし、地名を大きくしすぎると、どこのお店の商品か分からなくなることもあります。地名はお店の名前より小さく、が目安です。

サイズ・材料・刷り方は、先に決めておく
パッケージやラベルは、紙の上だけで完結しません。貼る容器の大きさ、袋の材料、箱の形、刷る数によって、デザインの条件が変わります。デザインを始める前に、次のことを決めておくと、あとで作り直しになりにくくなります。
パッケージ・ラベルを頼む前にそろえるもの
- 実際の容器・袋・箱(手元にあれば現物。なければ写真と寸法)
- ラベルを貼る場所と、貼れる大きさ
- 裏に入れる表示の中身(お客様の側で確認済みのもの)
- 商品名と、何の商品かの一言
- お店のロゴのデータ(あれば)
- 並ぶ予定の場所(道の駅・お土産売り場・自分のお店 など)
- 刷る予定の数と、頼む予定の印刷所(決まっていれば)
容器にラベルを貼る場合、丸い瓶や曲がった面では、平らな紙で見たときと見え方が変わります。デザインの途中で、実際の容器に試しに貼ってみると安心です。刷る数が少ない場合は、ラベルだけを刷って手で貼る形が多く、刷る数が増えると、袋や箱に直接刷る形も考えられます。どちらにするかで、使える色の数や細かさが変わるので、印刷所とも早めに話しておきます。印刷のためのデータの考え方は「印刷に出すデータの基本」にまとめています。
1枚だけ刷って、棚の前で確かめる
デザインが固まってきたら、たくさん刷る前に、家庭のプリンターでもいいので1枚だけ実寸で刷ってみます。実際の容器に貼り、並ぶ予定の棚と同じくらいの距離から眺めます。画面で見ていたときは読めた字が、実寸では小さすぎることはよくあります。色も、画面と紙ではちがって見えます。できれば、ほかの商品と並べた写真を撮って見比べると、目に止まるかどうかがよく分かります。ここで直しておくと、刷り上がってから気づくより、手間も費用もずっと少なく済みます。
商品名がまだ決まっていないとき
パッケージを考えはじめてから、商品名に迷うこともあります。名前はラベルの中でいちばん大きく載るものなので、ラベルの大きさに置いてみながら決めると、選びやすくなります。名前の決め方は「店名・商品名の決め方」で書いています。
滋賀でパッケージ・ラベルを頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。パッケージやラベルのデザインは料金表に載せていないため、商品の数や形、刷り方をうかがって見積りをお出しします(見積りは無料)。お店のロゴがまだない場合は、ロゴ(49,800円〜・3案から1つ・名刺デザイン込み)と一緒に考えると、ラベルと名刺と看板がそろいます。
- 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます
- 値段を先に出します。印刷代など含まれないものも先にお伝えします
- 表示の決まりの確認はお客様の側でお願いし、確認していただいた内容を読みやすく配置します
- 作ったデータはお渡しします。刷り直しや印刷所を変えるときも困りません
東近江・高島・長浜・大津など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋や全国からもオンラインで受けています。打ち合わせは基本オンラインで、容器や袋の現物を見る必要があるときは伺います。ロゴや名刺とあわせてのことはロゴ・名刺のページ、何から手をつけるか迷っているときは相談の窓口をご覧ください。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。
パッケージやラベルのデザインはいくらですか?
料金表に無いため、商品の数、ラベルの大きさ、容器や箱の形、刷り方をうかがって見積りをお出しします。見積りは無料です。印刷代は含まれません。
原材料やアレルギーなどの表示も考えてもらえますか?
表示の中身と、決まりに合っているかの確認は、お客様の側でお願いしています。必要に応じて所管の窓口や専門家にご相談ください。確認していただいた内容を、読みやすく配置するところをお手伝いします。
1種類だけ、少ない数から作れますか?
作れます。少ない数なら、ラベルだけを刷って容器に貼る形が多いです。あとで種類を増やすときのために、色や置き方の決まりも一緒に考えておくと、シリーズとして広げやすくなります。
いまのラベルを少し直すだけでもいいですか?
できます。いまのラベルと、並んでいる棚の写真を送ってください。どこを直すと棚で目に止まりやすくなるかをお伝えしたうえで、見積りをお出しします。


