会社の困りごと窓口SHIGA, JAPAN
それナル?
それ、なんとかなる? › ブログ › ブランディング
ブランディング

店名・商品名の決め方:滋賀のお店が覚えてもらう名前

2026.10.07 · 読む時間 約9分 · 木下スタジオ 木下貴博

店名・商品名の決め方:滋賀のお店が覚えてもらう名前

滋賀でお店を開く、新しい商品を出す。そのとき多くの方が手を止めるのが「名前をどう決めるか」です。思い入れのある言葉はあるけれど、お客さんに覚えてもらえるか、検索で見つかるか、看板にしたときに読めるか、と考え出すと決めきれません。この記事では、店名・商品名を決める順番と、候補を絞るときの確かめ方、ロゴや看板にしたときの見え方までをお伝えします。

名前は「呼ばれる・書かれる・探される」もの

名前を考えるとき、つい「意味のいい言葉」から探しはじめます。もちろん意味は大事です。ただ、お店や商品の名前は、お客さんの口と手とスマホで使われるものです。意味の良さより先に、使われる場面を思い浮かべると、選ぶ基準がはっきりします。

お客さんは、友だちに「あそこの店、よかったよ」と話すとき、名前を口に出します。予約の電話で名前を言い、手帳やメモに書き、あとでスマホの地図や検索で探します。そのどこかでつまずく名前は、せっかく気に入ってもらえても、次につながりにくくなります。

01

呼ばれる

口に出して言いやすいか。電話で一度で伝わるか。

02

書かれる

聞いた人がそのまま書けるか。読みが1つに決まるか。

03

探される

スマホで打ちこんで、そのお店にたどり着けるか。

04

見られる

看板やラベルに置いたとき、遠くから読めるか。

図1 名前が使われる4つの場面

この4つをすべて満点にする必要はありません。お店の性格によって、どれを優先するかは変わります。たとえば、通りがかりのお客さんが多いお店なら「見られる」を、紹介や口コミで広がるお店なら「呼ばれる」を、遠くから調べて来てもらうお店なら「探される」を重く見ます。

店名・商品名を決める前に、書き出しておくこと

いきなり名前の候補を並べると、好きか嫌いかの話になって決まりません。先に、名前が背負うものを短く書き出しておきます。紙1枚で十分です。

名前を考える前に書き出すこと

  • 何を売る・何をするお店(商品)か。一言で
  • 来てほしいお客さんは誰か。年齢や暮らし方まで
  • お客さんはどこで名前を知ることが多いか(通りがかり・紹介・検索・SNS)
  • 名前がいちばん大きく載る場所(店先の看板・商品のラベル・スマホの画面)
  • 残したい言葉や思い(地名・家の名前・材料・創業のきっかけ)
  • 避けたい印象(高そう・安っぽい・子どもっぽい など)

この中でも、名前がいちばん大きく載る場所は見落とされがちです。店先の看板に大きく出るなら、字数が少ないほうが大きく書けます。商品のラベルに載るなら、ほかの表示と並んでも負けない形かどうかが大事になります。スマホの画面で見られることが多いなら、検索で打ちこみやすいかどうかが効いてきます。

また、「何を売るお店か」を一言で言えるようにしておくと、名前そのものに全部を詰めこまなくて済みます。名前と一緒に添える短い言葉(たとえば「パンと焼菓子」「自転車の修理と販売」)で補えばよいからです。この添える言葉の考え方は「キャッチコピーの決め方」でくわしく書いています。

候補を出すときの4つの方向

書き出したことをもとに、候補を出していきます。名前の作り方には、大きく分けていくつかの方向があります。1つの方向だけで考えると似た候補ばかりになるので、方向ごとに2〜3個ずつ出してみるのがおすすめです。

表1 名前の方向と、向き・不向き
方向例の出し方良いところ気をつけること
地名から町の名前、山や湖、通りの名前地元の人に覚えてもらいやすい同じ地名を使うお店が近くにあることも
人・家から家の名前、屋号、創業者の呼び名顔が見える。長く続く印象代替わりや人の入れ替わりのとき
中身から材料、作り方、道具、扱うもの何のお店か伝わりやすい扱うものが増えたとき合わなくなる
音・形から響きのいい短い言葉、造語ほかと重なりにくい。ロゴにしやすい意味を別に伝える必要がある

滋賀の地名を使うときの考え方

滋賀には、比良、伊吹、湖東、湖北、近江など、名前に使いたくなる言葉がたくさんあります。地名を入れると、地元のお客さんには親しみを持ってもらいやすく、観光で来た人には「この土地のもの」だと伝わります。

一方で、よく知られた地名ほど、すでに同じ言葉を使っているお店や会社があることも多いです。草津や近江八幡のような地名をそのまま店名にすると、検索したときにほかの情報に埋もれることがあります。地名に、ほかと重ならない言葉を1つ組み合わせると、親しみと見つけやすさの両方を取りやすくなります。

和菓子店「比良製菓」のロゴのデザイン見本。同じ太さの線1本で書いた小文字で、hの上だけが比良山の形に立ち上がっている
制作例(見本):和菓子店「比良製菓」のロゴ。地名の「比良」を名前に入れ、h の上だけを山(比良山)の形に立ち上げています。名前の中にある地名を、形でも見せた例です。

造語や外国語を使うときの考え方

短い造語や外国語の名前は、ほかと重なりにくく、ロゴにしたときに形がまとまりやすいのが良いところです。ただ、聞いただけでは書けない、読み方が分からない、ということが起きやすくなります。看板やホームページに読みがなを添える、カタカナの書き方を1つに決めておく、といった手当てを一緒に考えておくと安心です。

候補を絞るときの確かめ方

候補が出そろったら、好みで選ぶ前に、実際に使う場面で試します。むずかしいことはありません。声に出す、書いてもらう、打ちこんでみる、置いてみる。この4つを順に通すと、候補はかなり絞れます。

  1. 声に出す電話口のつもりで名乗ってみる
  2. 書いてもらう家族や知人に聞いて書いてもらう
  3. 打ちこむスマホで検索し、似た名前を見る
  4. 置いてみる看板やラベルの大きさで並べる
  5. 2〜3個に絞る理由を書いて残す

図2 名前の候補を絞る順番

声に出す・書いてもらう

候補を、電話で名乗るつもりで声に出してみます。「はい、〇〇です」と言いにくい名前は、毎日使ううちに負担になります。次に、家族や知人に名前を口で伝えて、紙に書いてもらいます。思ったとおりに書けなかった候補は、聞き間違いや書き間違いが起きやすい名前です。漢字の読みが1つに決まらない、ひらがなとカタカナのどちらか迷う、といったところが分かります。

スマホで打ちこんでみる

候補をスマホで検索してみます。同じ名前や似た名前のお店が近くにないか、まったく別の有名なものが先に出てこないかを見ます。地図アプリでも同じように探してみると、近い場所に紛らわしい名前がないかが分かります。地図で見つけてもらうための整え方は「Googleマップで見つけてもらう基本」にまとめています。

ポイント同じ名前がすでに使われていないか、商標として登録されていないかの確認は、お客様の側でお願いしています。特に商品名を広く売っていく予定があるときは、早めに専門家に相談しておくと安心です。

看板やラベルの大きさで置いてみる

最後に、名前がいちばん大きく載る場所の大きさで、候補を並べてみます。紙に大きく書いて少し離れて見るだけでも、ちがいは分かります。画数の多い漢字が続く名前は、遠くからだとつぶれて見えることがあります。横に長い名前は、縦長の看板やのぼりに入れると小さくなります。名前を決めてから「看板に入らない」と気づくより、この段階で見ておくほうが、あとの手間が少なく済みます。

名前とロゴは一緒に考えると決まりやすい

名前を言葉だけで選んでいると、最後の2〜3個から決めきれないことがよくあります。そんなときは、名前をロゴの形にしてみると、選びやすくなることがあります。字の並び、文字の数、丸い字が多いか角ばった字が多いか。形にすると、言葉だけでは見えなかったちがいが見えてきます。

名前とロゴを別々に決める

  • 名前を決めたあとで、ロゴにしにくいと気づく
  • 長い名前を、看板に入れるために小さくする
  • 読みがなをどこに入れるか、毎回迷う
  • 略して呼ばれる名前と、ロゴの名前がずれる

名前とロゴを一緒に考える

  • 形にしてみて、残す候補を選べる
  • 看板・ラベル・アイコンの大きさを先に確かめられる
  • 読みがなの入れ方まで、ロゴの中で決められる
  • 呼ばれ方とロゴの見え方がそろう

図3 名前とロゴを、別々に決めるか一緒に考えるか

たとえば、お客さんが略して呼びそうな名前なら、略した部分をロゴの中で大きくする、という考え方もできます。商品名なら、お店のロゴと並んだときにどちらが主役になるかも決めておきます。ロゴの作り方の流れは「小さな会社のロゴの作り方」、色の決め方は「会社の色の決め方」で書いています。

バス会社「湖畔バス」のロゴのデザイン見本。頭文字のkとbを丸い形で組み、間の点をバス停に見立てている。色は湖のグラデーション
制作例(見本):「湖畔バス」のロゴ。頭文字の k と b を丸い形で組み、間の点をバス停に見立てました。色は湖のグラデーション。名前の中の言葉を、そのまま形の手がかりにしています。

商品名は、お店の名前との関係も決めておく

すでにお店の名前があって、そこに商品名を足す場合は、2つの名前の関係を決めておきます。お店の名前を大きくして商品名を小さく添えるのか、商品名を主役にしてお店の名前は裏に置くのか。どちらが良いかは、その商品をどこで売るかで変わります。自分のお店の中で売るならお店の名前が主役でよく、道の駅やほかのお店の棚に並ぶなら、商品名が先に目に入るほうが選ばれやすいこともあります。棚に並ぶときの考え方は「商品パッケージ・ラベルのデザイン」にまとめました。

大津・彦根など滋賀のお店で、名前まわりでよくあること

滋賀でお店や小さな会社を始める方から、名前について聞くことの多い話をいくつか挙げます。

家族で決めきれない

家族経営のお店では、名前に込めたい思いが人によってちがい、話し合いが長引くことがあります。先に書き出した「来てほしいお客さん」と「いちばん大きく載る場所」に立ち返ると、好みの話から離れて決めやすくなります。最後は、決めた理由を一文で書いて残しておくと、あとで迷い直すことが減ります。

開店の準備と重なって時間が足りない

開店前は、内装、仕入れ、手続きと、やることが重なります。名前が決まらないと、看板もチラシも名刺も作れません。開店の準備でデザインが必要になるものの順番は「開店のときにそろえるデザイン」にまとめています。名前は、ほかの準備より少し早めに決めておくと、そのあとの流れが楽になります。

長く使ってきた名前を変えたい

代替わりや業態の変更で、名前を変えるか迷う方もいます。長く使ってきた名前は、それだけで地域の目印になっていることがあります。名前は残して、ロゴや看板の見え方だけを整える、という道もあります。その考え方は「ロゴを作り直すかどうか」で書いています。

滋賀で名前とロゴを頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方

それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。名前を考えるところから相談できます。ネーミングだけのご相談は料金表に載せていないため、内容をうかがって見積りをお出しします(見積りは無料)。名前が決まったあとのロゴは49,800円〜(3案から1つ・名刺デザイン込み)が目安です。

  • 窓口は1人。名前の聞き取りから、ロゴ・名刺の納品まで同じ人が受けます
  • 値段を先に出します。含まれないもの(印刷代・看板の製作費など)も先にお伝えします
  • 作ったデータはお渡しします。あとで看板屋さんや印刷所に頼むときも困りません

大津・草津・守山・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋や全国からもオンラインで受けています。打ち合わせは基本オンラインで、必要なときだけ伺います。名前が決まりきっていない段階でも大丈夫です。ロゴのことはロゴ・名刺のページ、何から決めるか迷っているときは相談の窓口からどうぞ。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。

名前を考えるところから相談できますか?

できます。何を売るお店か、来てほしいお客さん、名前がいちばん大きく載る場所をうかがって、候補の方向を一緒に考えます。ネーミングは料金表に無いため、内容をうかがって見積りをお出しします(見積りは無料)。

名前が同じお店がないかや、商標の確認もしてもらえますか?

同じ名前や商標の確認は、お客様の側でお願いしています。広く売っていく商品名などは、早めに専門家に相談しておくと安心です。

名前は自分たちで決めて、ロゴだけ頼めますか?

できます。ロゴは49,800円〜(3案から1つ・名刺デザイン込み)です。名前を決めた理由や、名前がいちばん大きく載る場所を教えていただくと、形を決めやすくなります。

候補が2〜3個まで絞れたけれど、決めきれません。

候補をロゴの形や看板の大きさに置いてみると、ちがいが見えて選びやすくなることがあります。どこで決めきれないかをLINEやフォームで送っていただければ、進め方からご相談します。

ほかの記事

LINEで相談する フォームで相談する