キャッチコピーの決め方|滋賀の会社が一言で伝えるには
「うちの会社を一言で言うと?」と聞かれて、すぐに答えられる方は多くありません。滋賀の中小企業やお店がキャッチコピーを考えはじめると、気の利いた言い回しを探すうちに、何を言いたかったのかが分からなくなることがあります。この記事では、上手な言葉を探す前に決めておくこと、候補の出し方と絞り方、ホームページや名刺、看板への置き方までをお伝えします。
キャッチコピーは「うまい言葉」より「向き」を言うもの
キャッチコピーと聞くと、テレビの広告に出てくるような、印象に残る言い回しを思い浮かべるかもしれません。けれど、小さな会社やお店にとってのキャッチコピーは、もっと実用的なものです。はじめて見た人が「この会社は、誰のために、何をしているのか」をつかめる一言。それがあれば十分です。
うまい言葉は、ときに中身を隠してしまいます。響きはいいけれど、読んだあとに何の会社か分からない。そういうコピーは、ホームページのいちばん上に置いても、見る人の手がかりになりません。逆に、少し素朴でも「どちらを向いている会社か」がはっきりしているコピーは、読んだ人がその先を読むかどうかを決める手がかりになります。
よくあるキャッチコピー
- どの会社にも当てはまる言葉(「お客様第一」「地域密着」)
- 響きはいいが、何の会社か分からない
- 言いたいことを全部入れて長くなる
- ホームページと名刺で、ちがう言い方
伝わるキャッチコピー
- 誰に向けた会社かが分かる
- 何をしているかが、ふつうの言葉で分かる
- 言うことを1つに絞っている
- どこに置いても同じ一言
図1 よくあるキャッチコピーと、伝わるキャッチコピー
滋賀の会社がキャッチコピーを考える前に決めること
言葉を探しはじめる前に、3つのことを短く書き出します。誰に向けて言うのか。何をしているのか。ほかとどこがちがうのか。この3つがそろうと、キャッチコピーはその組み合わせから自然に出てきます。
誰に
いちばん来てほしいお客さん、または一緒に働きたい人。1つに絞る。
何を
していること。業種名ではなく、お客さんから見たときの言い方で。
どこが
ほかとのちがい。小さくてもいいので、本当のことを1つ。
図2 キャッチコピーの材料になる3つのこと
「誰に」は1つに絞る
多くの方が、ここで迷います。お客さんを1つに絞ると、ほかのお客さんを逃してしまうように感じるからです。けれど、キャッチコピーは会社のすべてを言うものではありません。いちばん来てほしい人に届く言い方をすると、ほかの人にも「どういう会社か」がはっきり伝わります。誰にでも当てはまる言い方は、結局だれの手も止めません。
「何を」はお客さんから見た言い方で
業種名をそのまま書くと、同じ業種の会社とちがいがなくなります。たとえば「リフォーム業」ではなく「水まわりの小さな直しから相談できる」のように、お客さんが困っている場面から言い直してみます。大津や草津のように同じ業種の会社が多い地域ほど、この言い直しが効いてきます。
「どこが」は本当のことを小さく
ちがいは、大きなことでなくてかまいません。家族で続けている、地元の材料を使っている、少人数で同じ人が最後まで担当する。小さくても本当のことのほうが、あとで「言っていたのとちがう」となりません。大きく見せようとして作った言葉は、会ったときの印象とずれてしまいます。

候補の出し方:型を使って10個並べる
材料がそろったら、候補を出していきます。いきなり1つに決めようとせず、まずは数を出します。白紙から考えるより、いくつかの型に当てはめると出しやすくなります。
| 型 | 言い方の形 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 呼びかける | 「〇〇な人へ」「〇〇で困ったら」 | 相談を受ける仕事。来てほしい人がはっきりしているとき |
| 約束する | 「〇〇まで、同じ人が」「〇〇から相談できる」 | 進め方や対応にちがいがあるとき |
| 言い切る | 「〇〇の会社です」「〇〇をつくっています」 | 何をしているかが、まだ知られていないとき |
| 誘う | 「〇〇しませんか」「一緒に〇〇を」 | 採用や催しなど、来てほしい行動があるとき |
| 思いを言う | 「〇〇がしたい」「〇〇でありたい」 | 考え方に共感して来てほしいとき |
型ごとに2個ずつ出すと、10個ほどの候補が並びます。並べてみると、自分たちがどの言い方にしっくりくるかが見えてきます。呼びかける型が合う会社もあれば、言い切る型のほうが落ち着く会社もあります。

候補を絞る:声に出して、置いてみる
候補が並んだら、絞っていきます。ここでも、好き嫌いだけで選ばず、実際に使う場面で試します。
- 材料を書く誰に・何を・どこが
- 型で出す型ごとに2個ずつ
- 声に出す人に話すつもりで読む
- 置いてみる名刺やHPの大きさで
- 1つに決める理由を一文で残す
図3 キャッチコピーを決めるまでの流れ
声に出して、人に話せるか
候補を声に出して読んでみます。お客さんや知り合いに「うちはこういう会社です」と話すつもりで読んで、照れずに言えるかどうか。言いにくいコピーは、自分たちの言葉になっていないことが多いです。社員やご家族に聞いてもらって、「それ、うちっぽいね」と言われる候補を残します。
ほかの会社の名前を入れても通じないか
もう1つの確かめ方は、候補の中の会社名を、同じ業種のほかの会社に入れ替えてみることです。入れ替えても違和感がなければ、そのコピーはどの会社にも当てはまる言葉になっています。入れ替えると嘘になる。そう感じる候補ほど、その会社らしい一言です。
置く場所の大きさで見る
最後に、実際に置く場所の大きさで見ます。ホームページのいちばん上、名刺の裏、看板の小さな文字、SNSのプロフィール。置く場所によって入る文字の量はちがいます。長すぎて名刺に入らないなら、短い版も一緒に決めておきます。
社内で決めるときは、決める人を先に決める
会社でキャッチコピーを決めるとき、みんなの意見を集めるほど、言葉が丸くなっていくことがあります。あの人の思いも、この人の言い分も入れようとすると、どの会社にも当てはまる一言に戻ってしまいます。意見は広く聞いてかまいませんが、最後に決める人は1人にしておくのがおすすめです。決めた人は、選んだ理由を一文で書いて社内に伝えます。理由が分かると、選ばれなかった案を出した人も納得しやすく、あとで別の場面で使うときにも迷いません。
見直しどきを決めておく
キャッチコピーは、一度決めたらしばらく使い続けるほうが、覚えてもらいやすくなります。毎年のように変えると、そのたびに見る人の中の印象が積み重ならなくなります。一方で、扱うものが変わった、来てほしいお客さんが変わった、という時には見直しが必要です。「事業の中身が変わったら見直す」と、見直すきっかけを先に決めておくと、思いつきで変えることが減ります。
ホームページ・名刺・看板に、同じ一言を置く
キャッチコピーが決まったら、お客さんの目にふれる場所にそろえて置いていきます。言い方がどこでも同じだと、見る人の中で印象が積み重なっていきます。
| 場所 | 置き方 |
|---|---|
| ホームページ | いちばん上、会社名やロゴの近くに。最初の画面で読める大きさで |
| 名刺 | 裏面か、ロゴの下に小さく。長いときは短い版を使う |
| 看板・のぼり | 会社名より小さく、離れても読める字数に絞る |
| SNS | プロフィールの1行目に |
| 会社案内・チラシ | 表紙か見出しの近くに。中の文章も同じ向きで書く |
ホームページでは、キャッチコピーのすぐ下に、それを少しくわしく言い直す2〜3行を置くと、読む人が先に進みやすくなります。問い合わせにつながるページの組み立ては「問い合わせが来るホームページ」、会社紹介の文章の書き方は「会社紹介の文章の書き方」にまとめています。
長浜や彦根のお店なら、看板とSNSが先のことも
滋賀の中でも、長浜や彦根のように観光で人が歩く町では、店先の看板やのぼり、SNSで見つけてもらうことが多いお店もあります。その場合は、ホームページより先に、看板とSNSのプロフィールにキャッチコピーを置くほうが効くことがあります。どこで最初に見られることが多いかを考えて、置く順番を決めます。

言葉と見た目は、一緒に決めるとずれない
キャッチコピーは、言葉だけで完成するものではありません。同じ一言でも、太い字で大きく置くのか、細い字で小さく置くのかで、受け取られ方は変わります。力強く言い切るコピーを、細くて小さな字で置くと、言葉と見た目がちぐはぐになります。
反対に、やわらかく呼びかけるコピーを、角ばった太い字で大きく置くと、声を張り上げているような印象になります。言葉の調子と、字の太さ・大きさ・余白の取り方が合っていると、読む人は内容をすんなり受け取れます。写真の上に置くのか、白い地に置くのかでも、読みやすさは変わります。言葉を決めたら、一度実際の画面や紙の上に置いて、声の大きさが合っているかを見てみてください。
そのため、キャッチコピーを決めるときは、ロゴや色、書体と一緒に考えるのがおすすめです。言葉と色と形をそろえる考え方は「小さな会社のブランディング入門」で書いています。決めたコピーや色の使い方は、「ロゴと色の使い方を1枚に」で紹介している1枚の決まりに書き足しておくと、あとで別の人が作るときにも同じ言い方が使えます。
滋賀でキャッチコピーを相談するなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。作るものが決まっていない段階でも相談できます。キャッチコピーだけのご相談は料金表に載せていないため、内容をうかがって見積りをお出しします(見積りは無料)。言葉をホームページに置くなら1ページ(相談しながら)49,800円、チラシなら片面A4 19,800円〜が目安です。文章をゼロから書く場合は、1ページ10,000円〜が別にかかります。
- 窓口は1人。聞き取りから、言葉を置いたデザインの納品まで同じ人が受けます
- 値段を先に出します。含まれないものも先にお伝えします
- 作ったデータはお渡しします。あとで別の人に頼むときも困りません
大津・草津・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋や全国からもオンラインで受けています。打ち合わせは基本オンラインで、必要なときだけ伺います。何から決めるか迷っているときは相談の窓口、ホームページに置くときはホームページのページをご覧ください。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。
キャッチコピーだけを相談できますか?
できます。誰に、何を、どこがちがうのかをうかがって、候補の方向を一緒に考えます。キャッチコピーだけのご相談は料金表に無いため、内容をうかがって見積りをお出しします(見積りは無料)。
うちの会社には、特にちがいが無い気がします。
大きなちがいでなくてかまいません。家族で続けている、同じ人が最後まで担当する、地元の材料を使っている、といった小さくても本当のことが、その会社らしい一言の材料になります。話しながらこちらから聞いていきます。
候補は自分たちで考えて、置き方だけ頼めますか?
できます。決めた一言と、それを選んだ理由を教えていただければ、ホームページ・名刺・チラシなどに置くときの大きさや書体を合わせて作ります。料金は作るものごとに先にお出しします。
英語のキャッチコピーでもいいですか?
使えます。ただ、英語だけだと意味が伝わりにくいこともあるので、近くに日本語の言い直しを置く形がおすすめです。どちらを主役にするかは、来てほしいお客さんで決めます。


