写真の雰囲気をそろえる:滋賀のお店のブランドの見せ方
滋賀でお店や小さな会社をしていると、ホームページ、Instagram、チラシと、写真を載せる場所がどんどん増えていきます。ところが並べてみると、明るい写真と暗い写真、寄りと引き、季節もばらばらで、同じお店に見えない。この記事では、写真の雰囲気をそろえるための4つの決め方と、いまある写真の選び方、決めたことを1枚に残す方法をお伝えします。
写真の雰囲気がそろわないと、何が困るのか
お店の写真は、ロゴや色と同じくらい、お客さんの記憶に残ります。むしろ、ロゴより先に写真を見て、お店の印象を決める人のほうが多いかもしれません。Googleマップで店名を調べたとき、Instagramの一覧を開いたとき、最初に目に入るのは写真です。
その写真がばらばらだと、「どんなお店か」が伝わりにくくなります。ある写真では明るくにぎやかなお店に見え、別の写真では静かで落ち着いたお店に見える。見る人は、どちらが本当の姿か分からないまま、ほかのお店へ移ってしまうことがあります。
「上手な写真」と「そろった写真」は別のもの
写真をそろえる話をすると、「プロに撮ってもらわないと無理」と思われがちです。でも、ここで言う「そろえる」は、1枚1枚を上手に撮ることとは少しちがいます。光の向き、写す距離、後ろに何が写るか、色の感じ。この4つが同じ方向を向いていれば、スマホの写真でも並べたときにまとまって見えます。
反対に、1枚ずつはきれいでも、撮った人や日がばらばらだと、並べたときにまとまりません。大事なのは1枚の出来より、並んだときの印象です。
写真がばらばらなとき
- 明るい写真と暗い写真が混ざっている
- 寄りの写真ばかり、または引きばかり
- 後ろに段ボールや車が写っている
- 投稿ごとに加工の色がちがう
写真がそろっているとき
- 光の向きと明るさが近い
- 寄りと引きの割合が決まっている
- 後ろに写るものが選ばれている
- 色の感じが同じ方向を向いている
図1 写真がばらばらなときと、そろっているときのちがい
そろえるのは「光・距離・背景・色」の4つ
写真の雰囲気を決めているものは、大きく分けて4つあります。全部を一度に完ぺきにする必要はありません。まずは、どれを決めるかを知っておくことが出発点です。
光
窓からの自然な光か、店内の照明か。光が横から入るか、正面からか。
距離
ぐっと寄るか、引いてお店ごと写すか。寄りと引きの割合。
背景
後ろに何を写すか。木の壁、白い壁、外の景色、作業場。
色
あたたかい色に寄せるか、すっきりした色に寄せるか。加工の有無。
図2 写真の雰囲気を決める4つ
光:いちばん印象を左右する
4つの中で、いちばん印象を左右するのが光です。窓から入るやわらかい光で撮った写真と、蛍光灯の下で撮った写真は、同じ料理でもまったくちがって見えます。「うちは窓際の席で、午前中の光で撮る」と決めるだけで、写真のまとまりはかなり変わります。
湖に近いお店なら、晴れた日の水面からの照り返しで、店内が思ったより明るくなることがあります。反対に、山あいのお店や町家のように奥行きのある建物では、昼でも奥は暗くなりがちです。お店ごとに「いちばん光がきれいな場所と時間」を一度見つけておくと、毎回迷いません。
距離:寄りと引きの割合を決める
料理や商品にぐっと寄った写真ばかりだと、どんなお店なのかが分かりません。反対に、引いた写真ばかりだと、何を売っているのかが伝わりません。「寄りを多めに、ときどき引きでお店の空気を見せる」のように、割合を決めておくとそろいます。
背景:写さないものを決める
背景は、写すものを決めるより、写さないものを決めるほうが簡単です。段ボール、値札の束、駐車場の車、ほかのお客さんの顔。これらが写らない向きを、あらかじめ決めておきます。木の壁の前で撮る、白い布を敷いて撮る、と背景を1つに絞ると、それだけで統一感が出ます。
色:加工は「同じ方向に、少しだけ」
スマホのフィルターは便利ですが、投稿のたびにちがうフィルターを使うと、色がばらばらになります。使うなら1つに決めて、強くかけすぎないことです。迷ったら、加工はしないで明るさだけを整える、と決めておくのも1つの方法です。
滋賀のお店で、写真の方向を決めるときの考え方
4つを決めるとき、手がかりになるのは「お客さんにどう感じてほしいか」です。これはロゴや色を決めるときと同じ考え方です。ほっとしてほしいのか、わくわくしてほしいのか、信頼してほしいのか。その一言が決まると、光や色の方向も自然に決まってきます。
お店の「いつもの姿」を写す
写真の方向を決めるときに気をつけたいのは、いつもとちがう姿を写さないことです。特別に飾りつけた店内や、普段は出さない盛りつけの写真は、たしかにきれいです。でも、それを見て来たお客さんが、実際のお店とのちがいにがっかりすることがあります。
近江八幡の古い町並みにあるお店なら、外の通りの空気ごと写したほうが、そのお店らしさが伝わることがあります。長浜の商店街のお店なら、店先のにぎやかさを隠さず写したほうが、来たときの印象と合います。写真は、来たときに見える景色の予告だと考えると、方向が決まりやすくなります。

人を写すときも、同じ決まりで
スタッフや作り手を写すときも、4つの決まりは同じです。ある人は笑顔で正面、別の人は横顔で作業中、となると、並べたときにまとまりません。「全員、作業している手元から少し引いた距離で」「全員、同じ壁の前で」と決めておくと、人がちがっても同じお店の写真に見えます。上の制作例のように、構図と光をそろえるだけで、3人の写真が1つの紙面になじみます。
いまある写真から、使うものを選ぶ
新しく撮り直す前に、まずは手元の写真を見直してみます。スマホの中には、思っている以上に使える写真が眠っていることが多いです。
- 集めるお店の写真を1か所に
- 並べる小さく一覧で見る
- 外す浮いている写真を抜く
- 残す近い写真のまとまりを選ぶ
- 言葉にする残った写真の共通点を書く
図3 いまある写真から、そろった写真を選ぶ流れ
小さく一覧で見ると、浮いている写真が分かる
写真を1枚ずつ大きく見ていると、どれも良く見えてしまいます。パソコンやスマホのアルバムで、小さく一覧にして並べてみてください。すると、明るさや色が浮いている写真が、すぐに目につきます。
浮いている写真を外していくと、残った写真には共通点が見えてきます。「窓際の写真が多い」「木の机の上で撮ったものが多い」。その共通点が、これからの写真の決まりの種になります。
残った写真の共通点を、言葉にする
共通点が見えたら、それを短い言葉にしておきます。「午前中の窓の光」「木の机の上」「少し上から」「加工なし」。言葉になっていると、家族やスタッフが撮るときにも伝えられます。
ここで大切なのは、決まりを先に作るのではなく、いまある写真から見つけることです。いちばん自然に撮れていた写真に、そのお店らしさが出ていることが多いからです。
写真の決まりを1枚にまとめて、誰が撮ってもそろえる
写真をそろえ続けるために、決めたことを1枚の紙にまとめておきます。家族経営のお店でも、何人かで回している会社でも、撮る人が変わるたびに雰囲気が変わるのを防げます。
写真の決まりに書いておくこと
- 撮る場所(窓際の席、作業台の前など)
- 撮る時間(午前中、閉店前など)
- 寄りと引きの割合
- 写さないもの(段ボール、車、ほかのお客さん)
- 加工のしかた(しない、明るさだけ、決めたフィルター1つ)
- 見本の写真を2〜3枚
見本の写真を貼っておく
言葉だけで決まりを書いても、受け取る人によって思い浮かべるものはちがいます。いちばん伝わるのは、見本の写真を一緒に貼っておくことです。「この写真のように撮る」と指させるものがあれば、迷いが減ります。
写真の撮り方そのものは「スマホの写真でホームページやチラシを作るコツ」にまとめています。決まりの紙は、色やロゴの決まりと一緒にしておくと便利です。言葉・色・形をそろえる考え方は「小さな会社のブランディング入門」で書いています。
使う場所ごとの形も書いておく
写真は、載せる場所によって形が変わります。Instagramは縦長、ホームページの一番上は横長、チラシは紙の大きさ次第。同じ写真でも、どこを切るかで印象が変わります。決まりの紙に「縦でも横でも使えるように、真ん中に余白を残して撮る」と一行書いておくと、あとで困りません。
デザインの側でも、写真をそろえられる
撮り直しが難しいときも、デザインの側でできることがあります。写真の置き方を決めることで、ばらばらな写真をまとめて見せる方法です。
同じ形に切って、同じ位置に置く
写真を同じ比率で切り、同じ間隔で並べるだけで、まとまりは出ます。大きさがばらばらな写真を、そのままの形で並べると、雑然と見えます。正方形にそろえる、横長にそろえる、と形を決めることも、写真をそろえる1つの方法です。
白黒にそろえるという手もある
色がどうしてもそろわないときは、思い切って白黒にそろえる方法もあります。色の情報がなくなるぶん、光と形だけが残り、ちがう日に撮った写真でも同じ硬さに見えます。

ただし、白黒は料理や花、色が売りの商品には向かないことがあります。何を伝えたいかによって選びます。お店の写真を使ったホームページの考え方は「問い合わせが来るホームページ」にもまとめています。
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 撮る決まりを作る | これから写真を増やすお店 | 見本の写真を一緒に残す |
| いまある写真から選ぶ | すでに写真がたくさんある | 浮いている写真は思い切って外す |
| 同じ形に切って並べる | ホームページ・チラシ | 大事なところが切れないか見る |
| 白黒にそろえる | 人や作業場を見せたい会社 | 色が売りの商品には向かない |
滋賀で写真の見せ方を相談するなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営する、小さく頼める窓口です。大津・草津・守山・近江八幡・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋、全国からもオンラインで受けています。
- 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます
- 値段を先に出します。撮影は料金に含まれていません。写真の選び方や決まりの紙づくりは、内容をうかがって見積りします(無料)
- 作ったデータはお渡しします。決まりの紙は、家族やスタッフと共有して使えます
「手元の写真から、使えるものを選んでほしい」という段階からでも相談できます。写真をまとめて送っていただければ、どれを残してどう並べるとよいかをお伝えします。作るものが決まっていなくても大丈夫です。窓口は相談のページ、写真を使ったページづくりはホームページのページにまとめています。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。
スマホの写真でも、雰囲気はそろえられますか?
そろえられます。大事なのは1枚の出来より、光・距離・背景・色の4つが同じ方向を向いていることです。撮る場所と時間を決めるだけでも、並べたときのまとまりは変わります。
写真の撮影もお願いできますか?
撮影は料金に含まれていません。お手持ちの写真から使えるものを選ぶこと、撮るときの決まりを1枚にまとめることは相談できます。プロの撮影が向いている場面かどうかも、正直にお伝えします。
いまある写真を見てもらうだけでもいいですか?
大丈夫です。写真をまとめて送っていただければ、どれを残すとそろって見えるか、何を撮り足すとよいかをお伝えします。その先に頼むものがあれば、金額を先にお出しします。
Instagramとホームページで、写真の決まりは分けたほうがいいですか?
光・距離・背景・色の決まりは同じにして、切り取る形だけを場所ごとに変えるのがおすすめです。決まりが1つなら、どこで見ても同じお店に見えます。


