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写真の雰囲気をそろえる:滋賀のお店のブランドの見せ方

2026.10.07 · 読む時間 約9分 · 木下スタジオ 木下貴博

写真の雰囲気をそろえる:滋賀のお店のブランドの見せ方

滋賀でお店や小さな会社をしていると、ホームページ、Instagram、チラシと、写真を載せる場所がどんどん増えていきます。ところが並べてみると、明るい写真と暗い写真、寄りと引き、季節もばらばらで、同じお店に見えない。この記事では、写真の雰囲気をそろえるための4つの決め方と、いまある写真の選び方、決めたことを1枚に残す方法をお伝えします。

写真の雰囲気がそろわないと、何が困るのか

お店の写真は、ロゴや色と同じくらい、お客さんの記憶に残ります。むしろ、ロゴより先に写真を見て、お店の印象を決める人のほうが多いかもしれません。Googleマップで店名を調べたとき、Instagramの一覧を開いたとき、最初に目に入るのは写真です。

その写真がばらばらだと、「どんなお店か」が伝わりにくくなります。ある写真では明るくにぎやかなお店に見え、別の写真では静かで落ち着いたお店に見える。見る人は、どちらが本当の姿か分からないまま、ほかのお店へ移ってしまうことがあります。

「上手な写真」と「そろった写真」は別のもの

写真をそろえる話をすると、「プロに撮ってもらわないと無理」と思われがちです。でも、ここで言う「そろえる」は、1枚1枚を上手に撮ることとは少しちがいます。光の向き、写す距離、後ろに何が写るか、色の感じ。この4つが同じ方向を向いていれば、スマホの写真でも並べたときにまとまって見えます。

反対に、1枚ずつはきれいでも、撮った人や日がばらばらだと、並べたときにまとまりません。大事なのは1枚の出来より、並んだときの印象です。

写真がばらばらなとき

  • 明るい写真と暗い写真が混ざっている
  • 寄りの写真ばかり、または引きばかり
  • 後ろに段ボールや車が写っている
  • 投稿ごとに加工の色がちがう

写真がそろっているとき

  • 光の向きと明るさが近い
  • 寄りと引きの割合が決まっている
  • 後ろに写るものが選ばれている
  • 色の感じが同じ方向を向いている

図1 写真がばらばらなときと、そろっているときのちがい

そろえるのは「光・距離・背景・色」の4つ

写真の雰囲気を決めているものは、大きく分けて4つあります。全部を一度に完ぺきにする必要はありません。まずは、どれを決めるかを知っておくことが出発点です。

01

光

窓からの自然な光か、店内の照明か。光が横から入るか、正面からか。

02

距離

ぐっと寄るか、引いてお店ごと写すか。寄りと引きの割合。

03

背景

後ろに何を写すか。木の壁、白い壁、外の景色、作業場。

04

色

あたたかい色に寄せるか、すっきりした色に寄せるか。加工の有無。

図2 写真の雰囲気を決める4つ

光:いちばん印象を左右する

4つの中で、いちばん印象を左右するのが光です。窓から入るやわらかい光で撮った写真と、蛍光灯の下で撮った写真は、同じ料理でもまったくちがって見えます。「うちは窓際の席で、午前中の光で撮る」と決めるだけで、写真のまとまりはかなり変わります。

湖に近いお店なら、晴れた日の水面からの照り返しで、店内が思ったより明るくなることがあります。反対に、山あいのお店や町家のように奥行きのある建物では、昼でも奥は暗くなりがちです。お店ごとに「いちばん光がきれいな場所と時間」を一度見つけておくと、毎回迷いません。

距離:寄りと引きの割合を決める

料理や商品にぐっと寄った写真ばかりだと、どんなお店なのかが分かりません。反対に、引いた写真ばかりだと、何を売っているのかが伝わりません。「寄りを多めに、ときどき引きでお店の空気を見せる」のように、割合を決めておくとそろいます。

背景:写さないものを決める

背景は、写すものを決めるより、写さないものを決めるほうが簡単です。段ボール、値札の束、駐車場の車、ほかのお客さんの顔。これらが写らない向きを、あらかじめ決めておきます。木の壁の前で撮る、白い布を敷いて撮る、と背景を1つに絞ると、それだけで統一感が出ます。

色:加工は「同じ方向に、少しだけ」

スマホのフィルターは便利ですが、投稿のたびにちがうフィルターを使うと、色がばらばらになります。使うなら1つに決めて、強くかけすぎないことです。迷ったら、加工はしないで明るさだけを整える、と決めておくのも1つの方法です。

滋賀のお店で、写真の方向を決めるときの考え方

4つを決めるとき、手がかりになるのは「お客さんにどう感じてほしいか」です。これはロゴや色を決めるときと同じ考え方です。ほっとしてほしいのか、わくわくしてほしいのか、信頼してほしいのか。その一言が決まると、光や色の方向も自然に決まってきます。

お店の「いつもの姿」を写す

写真の方向を決めるときに気をつけたいのは、いつもとちがう姿を写さないことです。特別に飾りつけた店内や、普段は出さない盛りつけの写真は、たしかにきれいです。でも、それを見て来たお客さんが、実際のお店とのちがいにがっかりすることがあります。

近江八幡の古い町並みにあるお店なら、外の通りの空気ごと写したほうが、そのお店らしさが伝わることがあります。長浜の商店街のお店なら、店先のにぎやかさを隠さず写したほうが、来たときの印象と合います。写真は、来たときに見える景色の予告だと考えると、方向が決まりやすくなります。

産地フェアのチラシのデザイン。つくり手の写真3枚を同じ構図・同じ光でそろえている
制作例(見本):産地フェアのチラシ。つくり手の写真を3枚、同じ構図・同じ光でそろえました。書体は細い明朝で、ほかの紙面とぶつからないようにしています。

人を写すときも、同じ決まりで

スタッフや作り手を写すときも、4つの決まりは同じです。ある人は笑顔で正面、別の人は横顔で作業中、となると、並べたときにまとまりません。「全員、作業している手元から少し引いた距離で」「全員、同じ壁の前で」と決めておくと、人がちがっても同じお店の写真に見えます。上の制作例のように、構図と光をそろえるだけで、3人の写真が1つの紙面になじみます。

いまある写真から、使うものを選ぶ

新しく撮り直す前に、まずは手元の写真を見直してみます。スマホの中には、思っている以上に使える写真が眠っていることが多いです。

  1. 集めるお店の写真を1か所に
  2. 並べる小さく一覧で見る
  3. 外す浮いている写真を抜く
  4. 残す近い写真のまとまりを選ぶ
  5. 言葉にする残った写真の共通点を書く

図3 いまある写真から、そろった写真を選ぶ流れ

小さく一覧で見ると、浮いている写真が分かる

写真を1枚ずつ大きく見ていると、どれも良く見えてしまいます。パソコンやスマホのアルバムで、小さく一覧にして並べてみてください。すると、明るさや色が浮いている写真が、すぐに目につきます。

浮いている写真を外していくと、残った写真には共通点が見えてきます。「窓際の写真が多い」「木の机の上で撮ったものが多い」。その共通点が、これからの写真の決まりの種になります。

残った写真の共通点を、言葉にする

共通点が見えたら、それを短い言葉にしておきます。「午前中の窓の光」「木の机の上」「少し上から」「加工なし」。言葉になっていると、家族やスタッフが撮るときにも伝えられます。

ここで大切なのは、決まりを先に作るのではなく、いまある写真から見つけることです。いちばん自然に撮れていた写真に、そのお店らしさが出ていることが多いからです。

アートディレクターの目線らしさは、先に決めて写真に押しつけるより、撮りためた写真を並べたあとに気づくことのほうが多いです。木下貴博は音楽を20年ほど続けてきましたが、曲も、偶然できた音から形になっていきます。個性は先に固めるものではなく、作ったあとに見えてくるもの。写真も同じで、何十枚かを並べてみて「うちはいつもこの光で撮っていたんだ」と分かったとき、それがそのお店の雰囲気になります。だから、はじめから正解の写真を探すより、まず並べてみることをおすすめしています。

写真の決まりを1枚にまとめて、誰が撮ってもそろえる

写真をそろえ続けるために、決めたことを1枚の紙にまとめておきます。家族経営のお店でも、何人かで回している会社でも、撮る人が変わるたびに雰囲気が変わるのを防げます。

写真の決まりに書いておくこと

  • 撮る場所(窓際の席、作業台の前など)
  • 撮る時間(午前中、閉店前など)
  • 寄りと引きの割合
  • 写さないもの(段ボール、車、ほかのお客さん)
  • 加工のしかた(しない、明るさだけ、決めたフィルター1つ)
  • 見本の写真を2〜3枚

見本の写真を貼っておく

言葉だけで決まりを書いても、受け取る人によって思い浮かべるものはちがいます。いちばん伝わるのは、見本の写真を一緒に貼っておくことです。「この写真のように撮る」と指させるものがあれば、迷いが減ります。

写真の撮り方そのものは「スマホの写真でホームページやチラシを作るコツ」にまとめています。決まりの紙は、色やロゴの決まりと一緒にしておくと便利です。言葉・色・形をそろえる考え方は「小さな会社のブランディング入門」で書いています。

使う場所ごとの形も書いておく

写真は、載せる場所によって形が変わります。Instagramは縦長、ホームページの一番上は横長、チラシは紙の大きさ次第。同じ写真でも、どこを切るかで印象が変わります。決まりの紙に「縦でも横でも使えるように、真ん中に余白を残して撮る」と一行書いておくと、あとで困りません。

デザインの側でも、写真をそろえられる

撮り直しが難しいときも、デザインの側でできることがあります。写真の置き方を決めることで、ばらばらな写真をまとめて見せる方法です。

同じ形に切って、同じ位置に置く

写真を同じ比率で切り、同じ間隔で並べるだけで、まとまりは出ます。大きさがばらばらな写真を、そのままの形で並べると、雑然と見えます。正方形にそろえる、横長にそろえる、と形を決めることも、写真をそろえる1つの方法です。

白黒にそろえるという手もある

色がどうしてもそろわないときは、思い切って白黒にそろえる方法もあります。色の情報がなくなるぶん、光と形だけが残り、ちがう日に撮った写真でも同じ硬さに見えます。

特装車の会社のホームページのデザイン。作っている人を正面から写し、写真をモノクロでそろえている
制作例:救急車と重機の特装を手がける会社のホームページ。車だけを見せるのではなく、作っている人を正面から。モノクロで揃えて、車体と人を同じ硬さで見せています。

ただし、白黒は料理や花、色が売りの商品には向かないことがあります。何を伝えたいかによって選びます。お店の写真を使ったホームページの考え方は「問い合わせが来るホームページ」にもまとめています。

表1 写真をそろえる方法と、向いている場面
方法向いている場面気をつけること
撮る決まりを作るこれから写真を増やすお店見本の写真を一緒に残す
いまある写真から選ぶすでに写真がたくさんある浮いている写真は思い切って外す
同じ形に切って並べるホームページ・チラシ大事なところが切れないか見る
白黒にそろえる人や作業場を見せたい会社色が売りの商品には向かない

滋賀で写真の見せ方を相談するなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方

それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営する、小さく頼める窓口です。大津・草津・守山・近江八幡・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋、全国からもオンラインで受けています。

  • 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます
  • 値段を先に出します。撮影は料金に含まれていません。写真の選び方や決まりの紙づくりは、内容をうかがって見積りします(無料)
  • 作ったデータはお渡しします。決まりの紙は、家族やスタッフと共有して使えます

「手元の写真から、使えるものを選んでほしい」という段階からでも相談できます。写真をまとめて送っていただければ、どれを残してどう並べるとよいかをお伝えします。作るものが決まっていなくても大丈夫です。窓口は相談のページ、写真を使ったページづくりはホームページのページにまとめています。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。

スマホの写真でも、雰囲気はそろえられますか?

そろえられます。大事なのは1枚の出来より、光・距離・背景・色の4つが同じ方向を向いていることです。撮る場所と時間を決めるだけでも、並べたときのまとまりは変わります。

写真の撮影もお願いできますか?

撮影は料金に含まれていません。お手持ちの写真から使えるものを選ぶこと、撮るときの決まりを1枚にまとめることは相談できます。プロの撮影が向いている場面かどうかも、正直にお伝えします。

いまある写真を見てもらうだけでもいいですか?

大丈夫です。写真をまとめて送っていただければ、どれを残すとそろって見えるか、何を撮り足すとよいかをお伝えします。その先に頼むものがあれば、金額を先にお出しします。

Instagramとホームページで、写真の決まりは分けたほうがいいですか?

光・距離・背景・色の決まりは同じにして、切り取る形だけを場所ごとに変えるのがおすすめです。決まりが1つなら、どこで見ても同じお店に見えます。

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