お客さんが会社に触れる場所を全部並べる:滋賀のブランド点検
滋賀の会社やお店で、名刺、看板、ホームページ、チラシをそれぞれ別のときに別の人に作ってもらった結果、どれも少しずつちがう顔になっている、ということはよくあります。どこを直せばいいか分からないまま、新しいものを足してしまう。この記事では、お客さんが会社に触れる場所を一度ぜんぶ並べて、ずれを見つけ、直す順番を決める「ブランド点検」のやり方をお伝えします。
ブランド点検とは、会社の「顔」を全部並べてみること
お客さんは、会社のことをいろいろな場所で知ります。看板を見て、ホームページを開いて、電話をかけて、名刺を受け取って、請求書を受け取る。その1つ1つが、お客さんにとっての会社の顔です。こうした、お客さんが会社に触れる場所のことを、ここでは「触れる場所」と呼びます。
ブランド点検は、この触れる場所を全部書き出して、並べて見ることです。並べてみると、ロゴの形が場所によってちがう、色が少しずつずれている、会社の説明の言い方が毎回ちがう、といったことが見えてきます。1つずつ見ていると気づかないずれも、並べると一目で分かります。
新しく作る前に、まず並べる
会社の見た目を整えたいと思ったとき、多くの方は「ロゴを作り直そう」「ホームページを新しくしよう」と、新しく作るところから考えます。でも、新しいものを1つ足すと、ずれた顔がもう1つ増えることもあります。先に全部並べて、何がずれているかを見てから、どこを直すかを決める。この順番にすると、直すものが少なくて済むことが多いです。
お客さんの動きに沿って、触れる場所を書き出す
触れる場所を書き出すときは、思いついた順ではなく、お客さんの動きに沿って並べると、もれが減ります。お客さんが会社を知ってから、また来てくれるまでを、5つの段階に分けて考えます。
- 知る看板・チラシ・人づて
- 調べる検索・地図・SNS
- 来る・問い合わせる電話・フォーム・店先
- 使う・買う名刺・見積書・店内
- また来る請求書・お礼・季節の案内
図1 お客さんの動きと、5つの段階
知る:最初に目に入るもの
お客さんが会社を初めて知る場所です。道路沿いの看板、店先ののぼり、配ったチラシ、車に貼った社名、展示会のブース。人づてに聞いた場合でも、そのあと最初に見るのは、たいてい会社の名前とロゴです。
調べる:画面の上で会うもの
名前を知ったお客さんは、次に調べます。ホームページ、Googleマップのお店の情報、SNSのアカウント、口コミのページ。ここでの写真や説明が、実際に問い合わせるかどうかを左右します。Googleマップの整え方は「Googleマップで見つけてもらうための基本」にまとめています。
来る・問い合わせる:はじめて言葉を交わす場所
電話に出たときの第一声、問い合わせフォームの画面、自動で返るメール、LINEのあいさつ文、お店の入口。ここは、人と人が初めてつながる場所です。見た目だけでなく、言葉の調子も会社の顔になります。
使う・買う:手元に残るもの
名刺、見積書、提案の資料、契約書、店内の掲示、メニュー、商品のラベル、袋。お客さんの手元に残るものや、長い時間目にするものです。とくに見積書や請求書のような書類は、デザインの対象だと思われていないことが多く、ずれが残りやすい場所です。
また来る:関係が続く場所
請求書、お礼のはがき、季節の案内、年賀状、会報、SNSの投稿。一度使ってくれたお客さんとの関係を続ける場所です。ここで会社の顔がそろっていると、「またあの会社に頼もう」と思い出してもらいやすくなります。
滋賀の会社・お店で、見落としやすい触れる場所
触れる場所を書き出すと、思っていたより多いことに驚く方が多いです。とくに、次のような場所は、デザインの対象として見落とされがちです。
見落としやすい触れる場所
- 社用車に貼った社名やロゴ
- 作業着や制服、エプロンの刺しゅう
- 見積書・請求書・納品書の書式
- メールの署名と、自動で返るメールの文面
- 電話に出たときの第一声
- 現場に立てる工事看板や、店先の手書きの黒板
- 封筒・ゴム印・のし紙
車と作業着は、町の中を走る看板
滋賀は車で移動することが多い土地です。大津から彦根へ、草津から近江八幡へ。社用車は、毎日町の中を走る看板になります。工事や配達の会社なら、作業着も現場で目にふれる会社の顔です。ここのロゴが古いままだったり、色がちがっていたりすると、ほかをどれだけ整えても、ずれが残ります。
書類は、いちばん長く手元に残る
見積書や請求書は、お客さんの机の上に、ほかのどの紙より長く残ることがあります。ここのロゴがかすれていたり、文字の大きさがばらばらだったりすると、会社の印象を少しずつ下げてしまいます。書類の型の作り方は「見積書・請求書の型をそろえる」にまとめています。

言葉と声も、触れる場所に入れる
触れる場所というと、看板や名刺のように目に見えるものを思い浮かべがちです。けれど、電話の第一声、メールの書き出し、LINEのあいさつ文のような言葉も、お客さんにとっては会社の顔です。ある人は「お世話になっております」から、別の人はいきなり用件から、となっていると、同じ会社でも印象がちがって聞こえます。
言葉の点検は、実際に自分の会社に電話をかけてみる、問い合わせフォームから自分あてに送ってみる、というやり方がいちばん分かりやすいです。お客さんの立場で一度通ってみると、思っていなかったところで引っかかることがあります。
点検表を作って、ずれを見つける
触れる場所を書き出したら、1つずつ点検します。見るところは、言葉・色・形の3つです。1枚の表にまとめると、ずれが目で見て分かります。
| 触れる場所 | 段階 | 言葉 | 色 | 形(ロゴ) | 直す順 |
|---|---|---|---|---|---|
| 道路沿いの看板 | 知る | 古い説明のまま | そろっている | 古いロゴ | B |
| ホームページ | 調べる | そろっている | 少しずれ | そろっている | A |
| メールの署名 | 問い合わせる | 人によってちがう | なし | なし | A |
| 名刺 | 使う | そろっている | そろっている | そろっている | そのまま |
| 請求書 | また来る | そろっている | なし | かすれている | C |
写真を撮って、1枚に並べる
表に書くだけでなく、触れる場所の写真を撮って、1枚に並べてみるのもおすすめです。看板、名刺、チラシ、ホームページの画面、社用車、請求書。並べたときに、ロゴの形や色が浮いているものは、すぐに目に止まります。言葉で説明しにくいずれも、写真なら一目で伝わります。
社内の何人かで、別々に書き出す
触れる場所を書き出すときは、1人でやるより、社内の何人かで別々に書き出してから持ち寄るのがおすすめです。営業の人は名刺や見積書を、現場の人は作業着や車を、事務の人は請求書や電話を、と、それぞれが毎日ふれているものを挙げてくれます。社長1人では思いつかない場所が、意外なほど出てくることがあります。
持ち寄った場所を、図1の5つの段階に分けて並べ直すと、表の行がそろいます。家族で営むお店なら、家族それぞれに「お客さんがうちを見る場所」を挙げてもらうだけでも十分です。
「そろっている」場所も、書いておく
点検というと、悪いところ探しになりがちです。でも、そろっている場所を書いておくことも大事です。そろっている場所は、これからの基準になります。いちばんお客さんに知られていて、うまくいっている場所の言葉・色・形に、ほかを合わせていくのが、ずれを直す近道です。言葉・色・形のそろえ方の基本は「小さな会社のブランディング入門」に書いています。

直す順番は、目にふれる回数と、直す手間で決める
ずれが見つかっても、全部を一度に直す必要はありません。限られた予算と時間の中で、どこから直すかを決めます。考え方は、目にふれる回数と、直す手間の2つです。
あとに回してよいもの
- 目にふれる回数が少ない
- 作り直すのに費用がかかる(大きな看板など)
- 次に作り直す時期が近い
- ずれが小さく、目立たない
先に直すとよいもの
- 目にふれる回数が多い
- 直す手間が小さい(署名・書類の型など)
- お客さんが最初に見る場所
- ほかの場所の基準になる
図2 直す順番の考え方
手間の小さいところから、すぐ直す
メールの署名、自動で返るメールの文面、電話の第一声、書類の型。こうした場所は、直す手間が小さいのに、毎日のようにお客さんの目や耳にふれます。点検で見つかったら、すぐに直してしまうのがおすすめです。
大きなものは、作り直す時期に合わせる
道路沿いの看板や社用車のように、作り直すのに費用がかかるものは、無理に急ぐ必要はありません。看板が古くなったとき、車を入れ替えるとき、と作り直す時期に合わせて、新しい顔にそろえていきます。そのときに迷わないよう、基準になる言葉・色・形を先に1枚にまとめておきます。
すぐ直す
手間が小さく、目にふれる回数が多い場所。署名・書類・問い合わせの画面。
次の機会に直す
作り直す時期が来たらそろえる場所。看板・車・制服。
基準として残す
すでにそろっている場所。ほかを合わせるときの見本にする。
図3 点検のあとの3つの分け方
点検のあと、決まりを1枚にまとめる
点検でずれを直したら、もう一度ずれないように、決まりを1枚にまとめておきます。ロゴの使い方、色の数字、会社を一言で言う文、写真の雰囲気。これがあれば、次に看板屋さんや印刷所、ホームページを作る人に頼むときも、同じ顔で作ってもらえます。

点検は、ときどきやり直す
触れる場所は、会社が動くたびに増えていきます。新しいSNSを始めた、展示会に出た、新しい書類を作った。年に一度くらい、新しく増えた場所を表に足して、ずれていないかを見直すと、会社の顔はそろったまま保てます。
滋賀でブランド点検を頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。大津・草津・守山・近江八幡・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋、全国からもオンラインで受けています。打ち合わせは基本オンラインで、看板や店先を見たほうがよいときだけ伺います。
- 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます。紙(チラシ・ポスター・看板・名刺)からWeb、社内資料までまとめて頼めるので、直したあとも言い方と色がそろいます
- 値段を先に出します。点検と直す順番の整理は、内容をうかがって見積りします(無料)。書類の型は29,800円〜、名刺は14,800円〜(両面)が目安です
- 作ったデータはお渡しします。点検表と決まりの1枚も、社内でそのまま使えます
「何がずれているのか自分では分からない」という段階からでも相談できます。いまの名刺、看板、ホームページ、書類の写真を送っていただければ、並べて見たうえで、どこから直すとよいかをお伝えします。作るものが決まっていなくても大丈夫です。窓口は相談のページとロゴ・名刺のページにまとめています。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。
ブランド点検は、自分たちだけでもできますか?
できます。お客さんの動きに沿って触れる場所を書き出し、写真を撮って1枚に並べるだけでも、ずれはかなり見えてきます。自分たちで見て判断に迷うところだけ、相談していただく形でも大丈夫です。
点検したら、全部作り直さないといけませんか?
その必要はありません。すでにそろっている場所は基準として残し、手間の小さいところからすぐ直し、看板や車のような大きなものは作り直す時期に合わせてそろえていきます。
ロゴを作り直すべきかどうかも見てもらえますか?
見られます。いまのロゴがお客さんに知られているなら、作り直すより整えるほうがよいことも多いです。作り直す場合のロゴは49,800円〜で、名刺のデザインも入っています。
点検だけ頼んで、直すのは別の会社でもいいですか?
かまいません。点検表と決まりの1枚はお渡しするので、看板屋さんや印刷所、ほかのデザイナーに頼むときにもそのまま使えます。


