採用ブランディング入門:滋賀の中小企業が選ばれるには
滋賀の中小企業から、「求人を出しても応募が来ない」「来てもすぐ辞めてしまう」という悩みは少なくありません。給与や休みを見直すことも大切ですが、その前に、働く場所としての会社の顔が伝わっているかを見直すことで、変わることがあります。この記事では、採用ブランディングとは何か、何から決めればいいか、採用チラシ・会社紹介の資料・採用ページをどうそろえるかをお伝えします。
採用ブランディングとは、働く場所としての顔を決めること
「ブランディング」という言葉は、お客さんに向けた話として使われることが多いです。会社のロゴ、商品のパッケージ、お店の看板。採用ブランディングは、その向きを変えて、これから一緒に働く人に向けて会社の顔を決めることです。
お客さんから見た会社と、働く人から見た会社は、同じではありません。お客さんは「何を買えるか」「頼んで安心か」を見ています。働く人は「ここでどんな毎日を過ごすか」「誰と働くか」「長く続けられるか」を見ています。同じ会社でも、見せるところが変わるのです。
求人票だけでは伝わらないもの
求人票やハローワークの票には、給与、時間、休み、仕事の内容が並びます。これらはもちろん大事です。ただ、同じ地域の同じ業種の求人を並べると、条件はよく似ていることが多いです。条件が似ていると、見る人はちがいを見つけられません。
ちがいが出るのは、条件の外側にあるものです。どんな人が働いているか。職場の空気はどうか。会社は何を大事にしているか。それを、言葉と写真と形で伝えることが、採用ブランディングの中身です。
条件だけを並べた求人
- 給与・時間・休みが中心
- 「アットホームな職場です」
- 写真は建物の外観だけ
- どの会社にも当てはまる文章
働く場所としての顔がある求人
- 条件に加えて、どんな毎日かが分かる
- 大事にしていることを一言で
- 働いている人の手元や表情
- その会社でしか言えない言葉
図1 条件だけの求人と、働く場所としての顔がある求人
滋賀の中小企業が、まず決める3つのこと
採用ブランディングというと、大がかりに感じるかもしれません。でも、最初に決めることは3つだけです。この3つが決まると、チラシにも資料にもホームページにも、同じ話を書けるようになります。
誰に来てほしいか
年齢や経験より、どんな気持ちで働く人か。
何を約束できるか
この会社で働くと、何が得られるか。正直に言えることだけ。
どう見せるか
言葉・写真・色。お客さん向けの顔とどうそろえるか。
図2 採用ブランディングで最初に決める3つ
誰に来てほしいかは、気持ちで決める
「20代の経験者」のように、年齢や経験で来てほしい人を決めることは多いです。けれど、それだけでは、どんな言葉で呼びかければいいかが決まりません。「同じ作業をこつこつ続けるのが好きな人」「お客さんの顔を見て働きたい人」のように、気持ちで書いてみると、呼びかける言葉が見えてきます。
約束できることは、正直に
働く人に何を約束できるかを考えるとき、つい良いことばかり書きたくなります。でも、入ってみてちがうと感じた人は、早く辞めてしまいます。「仕事は地道。でも、ひとつずつ覚えられるように、先輩が横につく」のように、大変なところも含めて正直に書くほうが、合う人が来てくれます。
草津や守山のように、京都や大阪へ通える場所の会社なら、「地元で働ける」こと自体が約束になることもあります。甲賀や東近江の製造業なら、「手を動かして、形になるものを作れる」ことが約束になるかもしれません。その会社の場所と仕事から、言えることを探します。
お客さん向けの顔と、どうそろえるか
採用のために、お客さん向けとまったくちがう顔を作る必要はありません。ロゴや色はそのまま使い、言葉と写真の向きだけを働く人に向けるのが基本です。会社の顔がそろっていると、取引先から会社を知った人が応募してくれることもあります。会社の言葉・色・形のそろえ方は「小さな会社のブランディング入門」にまとめています。
言葉:会社を一言で言い、働く人に向けて言い直す
3つが決まったら、言葉にします。まずは会社を一言で言う文を1つ作ります。そのうえで、働く人に向けた言い方に言い直します。
「アットホーム」を、具体的なことに言い換える
求人でよく見る「アットホームな職場」「やりがいのある仕事」は、どの会社でも言える言葉です。どこでも言える言葉は、読む人の目に止まりません。その言葉で言いたかったことを、具体的なことに言い換えます。たとえば「お昼は工場の2階で、みんな同じ机で食べています」と書けば、アットホームかどうかは読む人が判断できます。

この例では、条件を並べる前に、会社がいちばん伝えたいことを1行だけ大きく置いています。長く働ける会社だということを、言葉と1つの事実で見せる形です。数字を使うときは、その会社の実際の数字だけを使い、いつ時点のものかを添えます。
会社の紹介文と、採用の言葉をつなげる
ホームページの会社紹介と、採用の言葉がまったくちがうと、読む人は戸惑います。会社紹介で書いた「何をしている会社か」を、採用では「その仕事を、どんな人が、どんな手つきでしているか」に言い直す、という順番でつなげると自然です。紹介文の書き方は「会社紹介の文章の書き方」にまとめています。
写真と形:働く人の手元と、会社の色
採用で使う写真は、建物の外観より、働いている人の姿が伝わるものを選びます。顔を出せない場合は、手元や後ろ姿でも十分です。大事なのは、その会社で働く毎日が想像できることです。
写真の雰囲気をそろえる
採用チラシ、採用ページ、SNSで、写真の雰囲気がばらばらだと、同じ会社に見えません。光の向き、写す距離、背景をそろえておくと、何を見ても同じ会社の話だと分かります。写真のそろえ方は「写真の雰囲気をそろえる」でくわしく書いています。
顔を出せないときの写し方
社員の顔を出すことに抵抗がある会社も少なくありません。そのときは、無理に顔を出さなくても大丈夫です。工具を持つ手、図面を見る横顔、並んだ作業靴、休憩中の机の上。働く人の気配が伝わる写真は、顔がなくても撮れます。
大事なのは、写真に写っているものが、実際の職場と同じであることです。きれいに片づけすぎた職場や、普段は着ない服の写真は、入ってきた人が「話がちがう」と感じるもとになります。いつもの職場を、いつもの光で撮る。それがいちばん伝わる写真です。
採用で渡す資料も、同じ顔で
説明会や面接で渡す会社紹介の資料も、採用ブランディングの大事な場所です。会社の色と書体で組まれた資料は、それだけで「きちんとした会社だ」と伝わります。資料の中身は、会社の歴史を長く書くより、働く人が知りたいことの順に並べます。

採用の資料に入れておきたいこと
- 会社を一言で言う文
- どんな仕事を、どんな手順でしているか
- 1日の流れ
- 働いている人の写真(手元・後ろ姿でもよい)
- 入ってから仕事を覚えるまでの流れ
- 応募から面接までの流れと、問い合わせ先
面接の場も、会社の顔になる
採用ブランディングは、チラシや資料のような紙や画面だけの話ではありません。応募の連絡に返す最初のメール、面接の日の案内、受付での迎え方、面接をする部屋の様子。応募した人は、こうした1つ1つから「ここで働いたらどんな毎日か」を想像しています。
たとえば、面接の案内のメールに、会社までの道順と駐車場の場所、当日の流れを短く書いておくだけでも、受け取る人の安心は変わります。滋賀の会社は車で通う人が多いので、駐車場の案内はとくに喜ばれることが多いです。小さなことですが、こうした気づかいがそろっていると、言葉で書いた「大事にしていること」に説得力が出ます。
いま働いている人に、先に見せる
採用の言葉や資料ができたら、外に出す前に、いま働いている人に見せてみます。「これはうちの会社の話になっているか」「言いすぎているところはないか」。働いている人が納得できない言葉は、入ってきた人にもすぐに見抜かれます。反対に、働いている人が「たしかにそうだ」と言える言葉なら、面接で聞かれたときにも、同じ話をしてもらえます。
採用チラシ・資料・採用ページを、頼む順番
採用に使うものは、いくつもあります。いっぺんに全部そろえる必要はありません。いちばん人の目にふれるところから、順に作っていきます。
- 言葉を決める誰に・何を約束するか
- 写真をそろえる働く人の姿を集める
- チラシ・ポスター人の目にふれる入口
- 採用ページくわしく知る場所
- 説明の資料会ってから渡すもの
図3 採用ブランディングを進める順番
入口は、チラシと採用ページ
求人を見た人の多くは、そのあと会社の名前で検索します。そのときに採用ページがあると、チラシや求人票では書ききれなかったことを読んでもらえます。チラシから採用ページへ、QRコードやLINEでつないでおくと、気になった人がすぐに動けます。採用チラシの作り方は「採用チラシ・求人ポスターの作り方」にまとめています。
会社の宣言としてのポスター
採用のチラシとは別に、会社が何を大事にしているかを1枚で示すポスターを作る方法もあります。社内に貼れば働く人の目印になり、説明会の会場に貼れば、会社の顔として見てもらえます。

料金の目安
採用ブランディングは、1つの決まった商品ではありません。必要なものを、必要な順に組み合わせます。それナル?の料金表から、近いものを目安として並べます。
| 頼むもの | 料金 | メモ |
|---|---|---|
| チラシ(片面A4) | 19,800円〜 | 両面は29,800円〜 |
| ポスター(B2・B1) | 39,800円〜 | 印刷代は別 |
| ホームページ1ページ(相談しながら) | 49,800円 | 採用ページ1枚・修正2回まで |
| 社内資料・説明の資料 | 1時間5,000円 | 型(テンプレート)は29,800円〜 |
| 言葉の整理・全体の進め方の相談 | 見積り無料 | 内容をうかがって決めます |
文章をゼロから書く場合は、1ページ10,000円〜が別にかかります。撮影と印刷代は含まれていません。
滋賀で採用まわりのデザインを頼むなら:それナル?(木下スタジオ)の進め方
それナル?は、滋賀の木下スタジオ(木下貴博)が運営している、小さく頼める窓口です。大津・草津・守山・栗東・甲賀・東近江・彦根・長浜など滋賀県内を中心に、京都・大阪・名古屋、全国からもオンラインで受けています。
- 窓口は1人。聞き取りから納品まで同じ人が受けます。チラシも資料も採用ページも、言い方と色がそろいます
- 値段を先に出します。含まれないもの(撮影・印刷代・文章をゼロから書く)まで先にお伝えします
- 作ったデータはお渡しします。資料の型は、社内で中身を差し替えて使い続けられます
「何を作ればいいか分からないけれど、採用をなんとかしたい」という段階からでも相談できます。いまの求人票やチラシを送っていただければ、どこから手を入れるとよいかをお伝えします。窓口は相談のページ、資料は社内資料のページ、チラシはチラシのページにまとめています。返事は24時間以内です(土日祝は翌営業日)。
採用ブランディングは、大きな会社がやるものではないですか?
小さな会社にこそ向いています。条件で大きな会社と比べられると不利なことがありますが、どんな人と、どんな毎日を過ごすかは、小さな会社のほうが具体的に見せやすいからです。
まず何から頼めばいいですか?
人の目にふれる入口から始めるのがおすすめです。多くの場合は、採用チラシか採用ページです。その前に、誰に来てほしいか・何を約束できるかを一緒に整理することもできます。
社員の顔写真を出せないのですが、大丈夫ですか?
大丈夫です。手元や後ろ姿、作業している場面の写真でも、働く毎日は伝わります。写真の雰囲気をそろえることのほうが大切です。
求人の文章も書いてもらえますか?
お手持ちの文章を整えることは、ホームページ1ページ(相談しながら)の中で手伝えます。文章をゼロから書く場合は、1ページ10,000円〜が別にかかります。どちらになるかは、先にお伝えします。


